ECB欧州中央銀行がCBDC調査フェーズを承認
ECB(欧州中央銀行)がCBDC研究開発を目的とした調査フェーズを承認したことが分かった。
ECBが調査フェーズを承認したことで、ソブリンデジタル通貨(※法定通貨のデジタル通貨版)の目標開始に向けた大きな一歩を発表。調査フェーズは2年間で、中央銀行が発行するデジタル通貨のさまざまな側面の調査に重点が置かれるとのことで、ECBはマスコミに向けた声明で次のように語っている。
(THREAD) We have decided to launch a project to prepare for possibly issuing a digital euro. We will look at how a digital euro could be designed and distributed to everyone in the euro area, as well as the impact it would have https://t.co/KCf73qHOZ8 1/3 pic.twitter.com/eHvpFlH8sq
— European Central Bank (@ecb) July 14, 2021
私たちは、デジタルユーロの発行に備えるためのプロジェクトを立ち上げることにしました。デジタルユーロを設計してユーロ圏のすべての人に配布する方法と、それがもたらす影響について見ていきます。」
ラガルド総裁もTwitterでコメントを発表
仮想通貨で最も人気であるビットコイン(Bitcoin/BTC)および仮想通貨に対する消極的な姿勢で知られるECBのクリスティーヌ・ラガルド(Christine Lagarde)総裁は、調査フェーズの終了がデジタルユーロの発売につながる可能性があるとしてTwitterで次のように述べている。
We have decided to move up a gear and start the investigation phase of the digital euro project. In the digital age people and firms should continue to have access to the safest form of money – central bank money. https://t.co/sGdxTiipsU
— Christine Lagarde (@Lagarde) July 14, 2021
ギアを上げて、デジタルユーロプロジェクトの調査フェーズを開始することにしました。デジタル時代において、人々と企業は、最も安全な形のお金、つまり中央銀行のお金に引き続きアクセスできるはずです。
デジタルユーロはビットコインよりも環境に優しい
ECBは公式声明の中で、プライバシーに重点を置き、環境に配慮していると述べていることを海外メディアが報じている。
声明の中で、ビットコインと比較した場合、デジタルユーロの二酸化炭素排出量はごくわずかであると主張。ECB主導の実験的な作業によって、プライバシーを保護するための可能な方法を特定でき、ビットコインなどの仮想通貨のエネルギー消費量や環境フットプリントと比較して、インフラストラクチャーのエネルギー需要はごくわずかであることが示されたと述べている。
世界各国の中央銀行は、中国のテスト段階が終わりに近づいていることを実感しており、過去2カ月にわたってCBDC計画を加速させてきた。中国は2019年の第3四半期までにCBDCまたはデジタル人民元の開発を完了し、現在2年近くの間、さまざまな州で広く実際に国民らが私用しての実証実験が実施されている。
今後も各国の中央銀行により、CBDC計画やCBDCテストについての発表が続々とされていくとみられており、今後の新たな発表を待ちたい。