バイデン政権、FinCEN提案の仮想通貨ウォレット規制を再検討

バイデン政権、FinCEN提案の仮想通貨ウォレット規制を再検討

ジョー・バイデン大統領は、仮想通貨業界に大きな影響を与えるとされるFinCEN提案の仮想通貨ウォレット規制を含むすべての規制プロセスを再検討することが分かった。今回の動きは、新政権においてバイデン大統領が「Regulatory Freeze Pending Review」の党書を受けて、すべての行政機関に未定のルール作りを一時中断するという伝達によって行われたことによる影響である。

FinCENの仮想通貨ウォレット規制案とは、自己管理型ウォレットからの3,000ドル(約31万円)を超える引き出しに関して、仮想通貨取引所等サービスプロバイダー(VASP)に顧客や送金先の情報確認の強化を要求し、1万ドル(約104万円)を超える取引に関しては、FinCENへの報告義務を課すという内容である。

しかし、この提案は、金融サービス会社SquareのCEOであるジャック・ドーシー氏を含む業界リーダーらから広く批判されており、現金で必要ないのと同じように、仮想通貨の利用において取引相手の名前と住所の収集は必要ないと主張している。また、スマートコントラクトには名前や住所の情報が含まれていないため、多くのプロジェクトがこの法案に準拠することは技術的に不可能であることも付け加えた。

仮想通貨弁護士のジェイク・カルビンスキー氏は「バイデン大統領のペンディングレビューはムニューシン元財務長官のウォレット規制案も対象とする。イエレン氏はムニューシン氏とは違う方針を取る人なので、私は楽観的だ」と述べている。その一方で、イエレン氏は仮想通貨がマネーロンダリングやテロ資金支援等犯罪で多く利用されていると指摘しており、2017年には、ビットコインが安定的価値の保存手段ではなく、投機性の高い資産だとも発言している。

イエレン氏は今のところ、新財務長官としてどのような仮想通貨関連の方針を取るか明らかにしていないため、新政権における金融政策に注目していきたい。