リブラ、元米通貨監督庁の弁護士を採用

リブラ、元米通貨監督庁の弁護士を採用

フェイスブック構想の仮想通貨リブラの運営母体であるリブラ協会は、大手金融機関クレディ・スイスおよびUBS銀行での経験を持つ弁護士であるSaumya Bhavsar氏をLibraNetworks(リブラネットワーク)の顧問弁護士として採用したことを発表した。

リブラ協会の完全子会社でリブラ決済システムの運用管理を行うリブラネットワークの法律顧問を務めるBhavsar氏は、リブラの法的遵守側面を各国政府に訴える重要な役割を担うことになる。Bhavsar氏は今回の就任にあたって、次のように述べている。

より包括的なグローバル金融システムの実現に向けて前進するリブラ協会に参加できることを嬉しく思います。私はこれまで遠くからリブラプロジェクトを見てきたが、リブラの決済システムは業界を変革し、前例のない金融イノベーションと金融包摂を、人々が必要とする形で提供する準備が整っていると信じています。

また、リブラネットワークの運営責任者であるJames Emmett氏は、「Bhavsar氏は規制が最も厳しい業界で、規制対応や法務などの業務を行い、戦略的リーダーとして成功を収めてきました。そのため彼女の専門知識は、法的準拠した決済システムを構築し管理する上で非常に重要になるだろう。」と語っている。

スイスに拠点を置くリブラ協会は、デジタル通貨リブラを含むデジタル通貨のイニシアチブを監督するために、2019年にフェイスブックによって設立された組織として、独立した財務ガバナンス組織であり、DavidMarcus氏ら5人からなる取締役会が監督している。しかし、これまでリブラの開発は難航しており、2019年最初に発表されたリブラは、一種の仮想通貨として販売されたものだったが、フェイスブックが過去に、ユーザーのデータを漏洩させた経緯などによって、規制当局などからの厳しい監視に直面している。

またリブラ協会は、PayPal、Visa、Mastercardなど多くの有名企業とパートナーシップを締結していたものの次々とリブラ協会から脱退し、開発の難航もあり解除に至っている。法律面での多くの指摘があるリブラだが、経験豊富な顧問弁護士を採用したことにより、問題の解決を各所に訴える狙いがあると考えられる。