仮想通貨取引所クラーケン、外国為替取引ビジネスに参入
仮想通貨取引所クラーケンは3月12日、外国為替取引ビジネスに参入すると発表した。プレスリリースによれば、新しい外国為替取引サービスは同日、米国東部標準時(UTC)で10時30分から利用可能になり、9つの取引ペアを導入した。米ドルやユーロ、カナダドル、日本円の通貨が取り扱われており、日本円はユーロと米ドルとの取引ペアがある。クラーケンは将来的に取引ペアは追加される可能性があるとしている。
外国為替取引の手数料は、クラーケンのステーブルコインの基本的な取引手数料を適用。流動性を提供する取引注文「メーカー注文」と、流動性を奪う取引注文「テイカー注文」との間で手数料を区別するモデルに従い、手数料は低水準に抑えているという。また、少額の元手で多額の売買ができる証拠金取引については、外国為替取引では利用できないとしている。外国為替取引は米国の人は利用できないという。
クラーケンは、2017年に設立された米サンフランシスコ発の仮想通貨取引所で、業界内でも老舗の仮想通貨取引所となる。仮想通貨取引所やOTC(店頭取引)取引業務、先物取引プラットフォームなどの事業を展開しているほか、世界各国の銀行との提携により、ビットコインに通貨コードXBT(特定の国に依存しない場合に先頭にXをつける)を採用するなどの先進的な取り組みを進めている。
事業拡大を目的した企業の買収にも力を入れており、2019年11月に行った著名なOTCデスクであるサークル・トレードに続き、2020年1月にはオーストラリアで最も歴史のある仮想通貨取引所の1つ、ビット・トレードを買収。アジア太平洋地域への拡大計画を明らかにしている。