バイナンスペイがPayPay加盟店で100種類以上の仮想通貨決済に対応
世界的な暗号資産取引所であるバイナンス(Binance)は、クロスボーダー決済ネットワーク「HIVEX(ハイベックス)」を活用し、日本国内のPayPay加盟店における「Binance Pay」の決済サービス開始を発表した。
この取り組みにより、世界中の対象ユーザーが、日本を訪れた際に自身の保有する仮想通貨を使ってスムーズな買い物が可能となる。
訪日観光客向けの新サービスと仕組み
今回の連携により、100以上の国・地域にまたがる約4,800万人のBinance Payユーザーが、日本全国にある1,000万カ所以上のPayPay加盟店(飲食店、小売店、宿泊施設など)で暗号資産による支払いを行えるようになった。
利用にあたっては、事前の両替や日本円への換金手続きを行う必要はない。ユーザーは自身のBinanceアカウント内にある、ビットコイン(Bitcoin/BTC)やテザー(Tether/USDT)をはじめとする100種類以上の豊富なデジタル資産から支払い通貨を選択できる。
具体的には…、店舗のPayPay QRコードをスキャンするか、自身のBinanceアプリに表示される支払い用コードを店員に提示してスキャンしてもらう仕組みを採用。また、決済処理はすべてバックグラウンドで自動的に行われ、利用者側におけるネットワーク手数料=ガス代は発生しない。
加盟店側にとっても、従来のPayPay決済システムや「PayPay for Business」をそのまま利用できるため、特別な新規システムを導入する必要がなく、売上は従来通り日本円で受け取ることが可能だ。
対象者の限定とインバウンド市場の背景
このサービスはあくまで訪日外国人旅行者を主なターゲットとしており、日本居住者およびBinance Japanの口座保有者は対象外となっている。利用を希望する旅行者は、サポートされている国や地域で登録を行い、厳格なKYC(本人確認)プロセスを完了が必要だ。
国内では、2025年に外国人入国者数が4,270万人に達し、2026年に入っても月間300万人を超える観光客が訪れるなど、インバウンド需要が非常に高まっている。こうした背景から、観光客が日常的に使っているデジタル資産の残高を、日本国内ですでに広く定着しているQRコード決済インフラへと直接接続する動きが加速しているのが現状だ。
なお、サービス開始を記念し、対象ユーザーを対象とした10%の即時割引キャンペーンも実施されている。
PayPayとBinanceの強固なパートナーシップ
今回の決済機能の導入は、両社がこれまでに築いてきた緊密な関係を基盤としている。ソフトバンクグループ傘下のPayPayは、2025年10月にBinance Japanの株式の40%を取得し、持分法適用関連会社としている。
これまで両社は、Binance Japanのユーザーが「PayPayマネー」や「PayPayポイント」を使って暗号資産を購入できるようにするなどの資金移動サービスを展開してきた。2026年4月には、PayPayマネーを通じてBinance Japanへ直接日本円を入金できる機能が追加され、同年8月には1日あたりの入金上限額が引き上げられるなど、インフラの利便性が段階的に高められてきた。
今回のインバウンド向け決済の実現は、こうした国内決済網との連携の大きな成果と言えるだろう。
アジア全域への展開と今後の展望
バイナンスの決済・法定通貨部門担当バイスプレジデントであるトーマス・グレゴリー(Thomas Gregory)氏は、日本をキャッシュレス決済とデジタル資産が国境を越えて融合する理想的な市場であると評価。同社は、アジア太平洋地域の他の主要な観光市場においても、同様のQRコード決済ネットワークとの連携を視野に入れている。
国内においては、ローソンによるステーブルコイン実証実験や、JCBによるクロスボーダー決済の取り組みなど、デジタル資産と既存の金融インフラを接続する試みが次々と行われている。日本における今回のBinance PayとPayPay加盟店の統合は、将来的なデジタル資産の日常的利用に向けた重要なマイルストーンとなることが期待されている。























