テザー(Tether)社、Bit2Meの株式を取得でEUとラテンアメリカでの事業拡大を加速へ

テザーがBit2Meの株式を取得

テザー(Tether)社は、EU(欧州連合)およびラテンアメリカでの事業拡大のため、Bit2Meの少数株式を取得した。

テザー社は、ラテンアメリカおよびEUでの事業拡大を進めている。2025年8月7日(木曜日)、同社はスペイン語圏に特化した最大クラスの仮想通貨取引所Bit2Meの少数株式を取得。この取引の一環として、テザー社は同社への3,000万ユーロ(約51.5億円)の資金調達ラウンドを主導する。

今回の投資は、120万人以上のユーザーと7,000社以上の企業にサービスを提供するBit2Meがスペインの仮想通貨サービスプロバイダーライセンスを取得したことに続くものである。これによってBit2MeはEUのMiCA規制に準拠し、EU加盟27カ国すべてで事業を展開できるようになる。発表に際してテザーの(パオロ・アルドイノPaolo Ardoino)CEO(最高経営責任者)は次のように述べている。

Bit2Meは、デジタル資産エコシステムのために、コンプライアンスに準拠し、安全で直感的なインフラを構築するというコミットメントを一貫して示してきました。

また、Bit2Meのアンドレイ・マヌエル(Andrei Manuel)共同創業者兼COO(Chief Operating Officer:最高執行責任者)は、調達した資金はEUおよびラテンアメリカでの事業拡大に充てられると説明。長らくマクロ経済の不安定化に苦しんでいるアルゼンチンに焦点が当てられる事を明らかにしたうえで、次のように語った。

彼らの支援を得て、DeFi(分散型金融)の力を解き放ち始めたばかりの欧州とラテンアメリカ市場におけるリーダーシップを加速させることを目指します。

Bit2Meは、EUの暗号資産市場規制(MiCA)に基づき、スペイン証券市場委員会(CNMV)から、スペイン語圏の仮想通貨取引所としては初の仮想通貨サービスプロバイダーとして認可されたもので、EU加盟27カ国すべてのユーザーにサービスを提供できるようになる。

テザーはGENIUS法による新たな課題に直面の可能性

今回の投資は、テザーがEUで規制上の問題を抱えているにもかかわらず行われており、MiCA規制はステーブルコイン発行者に厳格な情報開示を義務付けているが、テザーはこれに応じようとせず、事実上EU市場から締め出されていた。

テザーは、最近GENIUS法が可決された米国でも、近いうちに同様の課題に直面する可能性がある。この新法は発行者に厳格な透明性要件を課しており、伝統的に秘密主義を貫いてきたテザーにとって大きな問題となる可能性がある。

 

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