BCPテクノロジーズ、FCAの承認を得て英ポンド建てステーブルコイン「tGBP」を展開

英国ポンド硬貨がデジタル背景に浮かぶステーブルコイン発行を象徴するイメージ

英国FCA登録企業による初のポンド建てステーブルコイン

英国の仮想通貨企業BCPテクノロジーズは、GBP(英国ポンド)に連動する新たなステーブルコイン「tGBP(トークン化GBP)」を発行した。

これは、英国のFCA(金融行動監視機構)に登録された企業として初めてのポンド建てステーブルコインとなる。2025年6月3日(火曜日)に正式に発表されたtGBPは、BCPのプラットフォーム「BCP Markets」にて、KYC認証を通過した顧客向けに提供が開始されている。

厳格な審査と規制サンドボックスでの実証運用

tGBPは、FCAの規制サンドボックスで1カ月間にわたって実証運用され、さらにFCAコネクトポータルを通じた14カ月間の申請プロセスを経て、発行に至った。

このステーブルコインは、英国の規制対象金融機関に設けられた分別管理口座に保管されたGBPによって1:1で裏付けられており、いつでも法定通貨への全額換金が可能とされている。ブロックチェーン上ではイーサリアム(Ethereum)のERC-20規格に準拠し、透明性と安定性を兼ね備えた設計となっている。

将来的には、準備資産を英国短期国債に移行することも視野に入れているという。

ステーブルコイン不足とtGBPの市場戦略

現時点で市場に出回っている英ポンド建てステーブルコインは、VNX英ポンド(VGBP)やCelo英ポンド(CGBP)などごく少数に限られ、その時価総額は50万ドル未満にとどまっている。

Blackfridgeのpoundtoken(GBPT)やAgantのGBPA、TetherによるGBP建て通貨といった先行プロジェクトも存在するが、市場での採用拡大には至っておらず、BCPテクノロジーズのCEO、ブノワ・マルズーク氏は次のように説明している。

tGBPは、個人や法人が銀行を介さずにGBPを自己管理できる手段として、またクロスボーダー決済、機関担保管理、DeFiレンディング、ビットコイン担保ローンといった多様なユースケースに対応する。

さらに、証券・債券・不動産などのトークン化資産の決済手段としてtGBPを活用する構想も示しており、現在は2つの大手仮想通貨取引所と上場に向けた最終調整を進めていると述べた。BCPは2017年に「BitcoinPoint」として設立され、2021年にFCA登録を完了。2020年に導入された新たな規制を受けて、現金ベースのサービスから完全にデジタル化されたプラットフォームへの移行を遂げており、マルズーク氏は次のように語っている。

私たちのビジョンは、親しみやすいGBPを用いてブロックチェーンの複雑さを抽象化し、将来的にはGBPの電子マネーをtGBPが代替することです

 

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2022年1月から仮想通貨を触り始め、みるみるうちにNFTにのめり込んでいった。 現在はWeb3とECの二刀流で生計を立てている 得意なのは喋る事、好きな食べ物はカレー、好きなゲームは格闘ゲーム