ビットコインマイナー、AIセンター、高エネルギー使用に対するIMF課税に直面

IMFがビットコインマイニングに課税を提案

IMF(International Monetary Fund:国際通貨基金)はビットコインマイニングの環境への影響を強調し、問題に対処するための新たな税金を提案していることが分かった。

IMFはマイニングによる環境への影響を考慮し、新たな課税案を提案。ビットコインマイニングは無駄が多く、環境に悪影響を与え、マイニング業者が使用するエネルギーに課税すれば、ベルギーの排出量に相当する年間1億トンの排出量を削減できると、IMF幹部2人は主張。IMFは、ビットコインマイニングとAI(人工知能)データセンターの影響を抑制するために世界的なエネルギー税を望んでいるとみられる。

ビットコインマイニングは、ターゲットハッシュを一致させるため、1秒間に数兆回推測できる特殊コンピューターに依存し、ネットワークを保護し、トランザクションを促進。このプロセスは、年間91~150テラワット時と推定される大量のエネルギーを消費し、マレーシアなどの国全体の電力使用量に匹敵しているのが現状だ。

この大量のエネルギー使用は、炭素排出と気候変動を悪化させると主張する環境保護活動家からの批判に直面しおり、IMFは、こうした懸念を認識し、マイニング業者とAIデータセンターに新たな税金を課すことを提案した。

IMFはマイニング業者とAIデータセンターを焦点に

ビットコインマイニングとAIデータセンターによる二酸化炭素排出量とエネルギー使用量の増加に対処するため、IMFは仮想通貨マイニングに1キロワット時あたり0.047ドルの税金を課すことを提案した。

なお、地域の大気汚染の影響によっては、この税金は1キロワット時あたり0.089ドルまで上がる可能性がある。例えば、AIデータセンターの場合、IMFが提案する税金は1キロワット時あたり0.032ドルとやや低く、地域の大気汚染コストを考慮すると0.052ドルまで上がる可能性がある。IMFは、この追加税により、仮想通貨マイニングから世界全体で52億ドル(約7,600億円)、AIデータセンターから180億ドル(約2.6兆円)の収益が得られると見積もっている。この措置により、年間排出量を1億トン削減し、全体的な気候目標に貢献することも可能とのことだ。

マイニングの環境への影響は誇張か

IMFは気候への影響の増大に懸念を表明し、仮想通貨マイニングとAIデータセンターからの炭素排出量は2027年までに4億5,000万トン(※世界排出量の1.2%に相当)に達する可能性があると予測している。

IMFは、これらのセクターの電力使用に課税することは、エネルギー消費を削減しながら排出量を抑制するための実行可能なアプローチになり得ると考えている。IMFが炭素排出量とエネルギー消費について懸念しているにもかかわらず、ビットコイン支持者は、それほど悲惨な状況ではないことを示唆する別の数字を提示している。

BMC(ビットコインマイニング協議会)の最新レポートによると、ビットコインマイニングは比較的環境に優しく、持続可能なエネルギーミックスが59.9%で、世界のエネルギー消費に占める割合はわずか0.2%となっている。また、炭素排出量についてBMCは、ビットコインマイニングが約5,000万トン(※世界炭素排出量0.135%に相当)を占めると推定。さらに、ビットコインマイニングは余剰エネルギーを消費し、ピーク需要時にオペレーションを拡大することで電力網のバランスを取り、負荷を安定させるのに役立つと主張する声も聞こえている。