米国財務省事務次官は仮想通貨犯罪リスクに対する強力なツールを要求
米国財務省(United States Department of the Treasury)のブライアン・ネルソン(Brian Nelson)事務次官は、仮想通貨犯罪や違法な金融悪用と闘うためのリソースの強化を議会に強く要求している事が分かった。
違法金融との戦いを強化する重要な動きとして、米国財務省は下院議員に対して仮想通貨犯罪に関する懸念を表明。同庁は、これらの課題に効果的に対処するための立法ツールとリソースの強化を推進。行動の呼びかけは、テロリズムと金融情報担当の同財務次官によって、テロと仮想通貨犯罪に焦点を当てた議会公聴会に先立って準備された証言の中で概説されている。
財務省の懸念と立法上の願望
ネルソン事務次官は、違法な金融活動における仮想資産の使用に対する財務省の根強い懸念を表明した。
同事務次官のコメントは、ワシントンの議員らがエリザベス・ウォーレン(Elizabeth Warren)上院議員やシェロッド・ブラウン(Sherrod Brown)上院銀行委員長らの刺激を受けて、仮想通貨分野における違法金融との闘いに注力を強化している中で出されたものだ。
財務省は過去10年にわたり、違法金融リスクの軽減と責任あるイノベーションの促進の必要性のバランスをとりながら、テロ資金供与と闘うことを目的とした枠組みの構築に取り組んできた。銀行秘密法違反に対する企業の責任を問うなど、問題に対処するための一定のツールを持っているにもかかわらず、同事務次官は追加のツールやリソースの必要性を強調。今日の金融情勢の進化する課題に対処するために財務省のツールと権限をより適切に更新する改革を採用するために議会と協力することの重要性を強調した。
財務省は仮想通貨犯罪に立ち向かうためのさらなる権限を要求
財務省は議員に対し、仮想通貨分野の悪者をより効果的に追及するための新たな制裁ツールの導入など、権限を強化するよう勧告している。
ステーブルコインについては言及されていないものの、財務省はかつてステーブルコインについてはより一層の監視が必要であると示唆していた。また、ハマスのようなグループがデジタル資産を利用してテロを支援することを阻止する取り組みについても議論し、そのようなグループが違法収益を集め、移転し、保管するために使用する手法が継続的に進化していることを認めた。この積極的な姿勢は、ハマスのような組織に結び付けられた資金調達メカニズムが標的にされ、破壊されることを確実にするための広範な戦略の一部である。
この大義に対する財務省の取り組みは、マネーロンダリング(資金洗浄)、テロ資金供与、拡散金融に関する2024年の国家リスク評価の発表によってさらに強調され、これらの報告書は、従来の現金ベースの資金洗浄から仮想資産の利用への移行が増加していることを指摘し、米国内の違法金融の根強い脅威を浮き彫りにしている。
仮想通貨関連犯罪と闘うための立法ツールとリソースの強化を求める財務省の呼びかけは、違法な金融活動におけるデジタル資産の使用に対する懸念の高まりに対抗するものだ。仮想通貨と違法行為に関する下院金融サービス委員会による今後の公聴会は、政府最高レベルでこの問題にますます注目が集まっていることを示している。