テイラー・スウィフトとFTXの間に一体何が起こったのか

テイラー・スウィフトとFTX の間で何があったのか

グラミー賞を12回受賞した経歴を持つシンガーソングライター、テイラー・スウィフト(Taylor Swift)氏と、現在は債務超過に陥っている仮想通貨取引所FTXとの間で締結されていたスポンサー契約を解消していることが明らかになった。

大手メディアによると、スポンサーシップ契約の詳細を知る3名の関係者は、FTXが破産申請をする前にサム・バンクマン-フリード(Sam Bankman-Fried)氏が約1億ドル(約141億円)の契約を同氏と結び、その後解消したことを決定。署名された契約書はFTXの創設者であるフリード氏宛てにメールが送られたが、数週間は返信がなかったままだったとその関係者はCNBCに語っている。最終的にFTX幹部グループがバンクマン-フリード氏を説得し、1億ドルの取引を実行しなかったと述べている。

締結していた場合はギャラの消滅や法的トラブルに直面も

スウィフト氏のチームは6カ月以上の交渉の末に1億ドルのツアースポンサー契約に合意していたが、FTX側が躊躇したため、契約はまとまらなかったという。

もしこの契約が実現していたら、同氏は、近年仮想通貨を支持したことで、ギャラの消滅や法的トラブルに直面した有名人の仲間入りをしていた可能性がある。この報道は、多くのメディアが報じている“同氏側がFTXとの契約を検討し、その後解消した”という報道とは矛盾。アメリカンフットボールのスターであるトム・ブレイディ(Tom Brady)氏、NBAのステフィン・カリー(Stephen Curry)氏を含む著名人らは、取引所の崩壊後、一部のFTXの不満を持つ投資家によって提出された集団訴訟に名前が挙げられ、法的な調査を受けている。

仮想通貨取引所FTXは2022年11月に破産を申請。バンクマン-フリード氏は現在、詐欺と選挙資金違反の罪に問われ、FTXのゲーリー・ワン(Gary Wang)氏、キャロライン・エリソン(Caroline Ellison)氏、ニシャッド・シン(Nishad Singh)氏の3人の幹部がさまざまな犯罪を告発されている。

テイラー・スウィフト氏による慎重なデューデリジェンス

この混乱の中で、スウィフト氏が慎重なデューデリジェンス(※投資する際の事前リスク調査)をしたことは明らかであり、FTXを熱心に支持した他の有名人とは異なり、同氏はこの機会が訪れたときに弁護士に相談することを選んでいる。

2022年12月、この契約はスウィフト氏のツアーチケット手配にNFTを組み込む予定だったが、FTXの一部の社員がバンクマン-フリード氏に、その高額なスポンサーシップを中止するよう迫ったため、失敗に終わったとフィナンシャル・タイムズ紙は報じている。