ジェミニはジェネシスの債務支払いが失敗に終わった事を明らかにする
仮想通貨金融業者ジェネシス(Genesis)の親会社DCG(Digital Currency Group)は、仮想通貨取引所ジェミニ(Gemini)に対する6億3,000万ドル(約872億円)の債務履行に失敗した事が分かった。
DCGが融資不履行に陥る可能性の予想もあったため、この融資を決済できないことは懸念を引き起こしており、現在はジェネシスの破産財団の監督下にある。ジェミニは現在、DCGが債務を返済できなかったことを受け、同グループに猶予を与えることを検討している。この猶予とは、借り手が住宅ローンの支払いを減額するか、一時的に支払いを完全に停止できる一時的な取り決めを指しており、借り手は減額または一時停止された金額を後で支払う責任がある。調停プロセスの一環として、ジェミニは当初、必要な資金を確保するためにDCGに30日間の猶予を与えた。
ジェミニはジェネシスによる9億ドル未返還でアーンを閉鎖
ジェミニは2023年1月、ジェネシスが取引所に支払うべき9億ドル(約1,245億円)相当の資産を返還していないと主張したうえで、アーン(Gemini Earn)の閉鎖を決定した。
最新声明の中でジェミニは、寛容を認める決定は、部分的には、相互に受け入れられる合意に向けて真の交渉に取り組むDCGの意欲に依存すると主張。関係者が合意に達しなかった場合、ジェミニはDCGが所有するジェネシス・キャピタルと協力し、DCGの同意なしで進められる修正再編計画の条件を提案するとみられており、ジェミニは次のように述べている。
検討は、両当事者がDCGが合意に基づいた取引に関して誠意を持って交渉すると信じるかどうかに部分的に基づいて行われる。
ジェネシスの債権者上位50社への負債は35億ドルを超え
裁判所への提出書類によると、ジェネシスはジェミニをはじめとした著名な50社の債権者に対して35億ドル(約4,842億円)を超える未払い債務を抱えている。
ジェネシスとDCGの間の「大筋合意」を受け、2023年2月に破産裁判所に完全和解が提出されており、当初の和解合意は、破産により失った資金の80%を債権者に提供することを目的としていた。しかし、残念なことに、数カ月後にはジェネシスの債権者が要求をエスカレートさせたため、当初の和解計画は崩れている。ジェミニは5月22日までに、11億ドル(約1,522億円)以上のデジタル資産を回収するため、「ジェミニ・マスター・クレーム」として知られる新たな請求を提出する予定とのこと。
ジェネシスは、2023年1月19日の時点でアクティブなローンを保有していた約23万2,000人のジェミニ・アーン・ユーザーにこれらの資産を返還していない。この計画は自己完結型であり、DCGの同意や参加の必要性とは別のものとなる。これは提案の独立性を強調し、DCG の承認や積極的な関与に依存したり要求したりしないことを示唆している。