効率を高めるために10,000人の従業員を手放すメタ

Metaが1万人の従業員削減へ

米国の経済的課題に直面する中、ソーシャルメディア大手のメタ(Meta、※旧社名:Facebook)は、競争力を維持し、メタバースへの投資を継続するために人員削減を発表したことが明らかになった。

3月14日(火曜日)、同社のマーク・ザッカーバーグ(Mark Zuckerberg)CEO(最高経営責任者)兼創業者は、2023年に効率性を高めるために1万人の従業員を解雇することを宣言。同氏は、米国内の厳しい経済情勢のなかで、同社の主要な目標は技術力の強化と財務業績の改善であると述べており。これらの行動は、同社の長期的なビジョンに沿ったものであるとのこと。さらに、目標を達成するためには、生産性と開発者向けツールを強化する必要があると説明。業務の合理化により、不必要なプロセスや必要でない役割を排除する必要性を指摘したうえで、次のように語っている。

今後数カ月の間に、組織をフラット化したうえで、優先順位の低いプロジェクトを廃止し、採用率を下げることを目的としたリストラ計画を組織リーダーが発表する予定です。この採用削減を踏まえ、私は採用チームの規模をさらに縮小するという厳しい決断を下しました。

ザッカーバーグCEOは、1万人の従業員に影響を与える大規模なレイオフの波が始まり、解雇は3カ月におよぶと発表しており、5,000に上るポジションを閉鎖することも明らかにしている。また、技術部門を対象としたさらなるリストラとレイオフを4月下旬までに開示することを示唆しており、ビジネスチームに関わる最終的な解雇は5月下旬に行われる予定である。同CEOは、会社の成功に貢献した有能な同僚との別れを意味するとしても、レイオフは年中続く可能性があると警告。メタのメタバースへの注力は長期的なものであると述べている。

Metaの雇用削減はアジリティと有効性を高めるため

アジリティと有効性を高めるために、メタ社は多くの管理職を個人貢献者にすることで、複数の管理レベルをなくすことを計画している。

同CEOによれば、このアプローチでは、管理職が10人以上の直属の部下を必要としないため、従業員間の情報フローがより速くなるという。一方で、3月13日(月曜日)、Meta Platformsのコマースと金融技術の責任者であるステファン・カスリエル(Stéphane Kasriel)氏は、コンテンツクリエイターを支援する他の取り組みを優先するため、NFT(非代替性トークン)プロジェクトに対するサポートを取りやめることを発表している。カスリエル氏は、MetaがInstagramやFacebookなどのソーシャルメディアプラットフォームを活用してNFTコレクションを紹介するコンテンツクリエイターを引き続き支援することを強調。

さらに、当NEXTMONEYの特集記事「メタ(Meta)は立ち上げ後すぐにNFTプロジェクトを終了」でも報じているように、同社は、主要なメタバースプロジェクトを担当したReality Labsの137億ドル(約1.8兆円)という驚異的な損失に続き、不採算プロジェクトの閉鎖を進めている。しかし、メタ社は、NFT事業の不振が、方向転換を意味するものではないことを明らかにしており、メタバース開発は長期的でより複雑なビジョンであるとのことだ。

メタ(Meta)は立ち上げ後すぐにNFTプロジェクトを終了

2023.03.14