GameStopがFTXパートナーシップを発表で株価上昇

GameStopがFTXパートナーシップを発表

仮想通貨デリバティブ取引所FTXは、米・テキサスに本社を置く世界最大のコンピューターゲーム小売店GameStopと提携することを発表したことで、株価が上昇していることが明らかになった。

今回の提携の金銭的条件は明らかにされていないが、GameStop株価は、FTXとのパートナーシップの発表により、約13%上昇したとのことだ。この提携は、FTXのコミュニティとデジタル資産のマーケットプレイスを、より多くのGameStopの顧客に紹介することを目的としており、FTXの新しいeコマースとオンラインマーケティング施策で協力するほか、GameStopは一部の店舗でFTXギフトカードの取り扱いを開始する予定とのこと。というのも、ゲーマーはNFT業界にとって最大のターゲット層のひとつであり、GameStopは6月に、仮想通貨とNFTを保管、送受信できるデジタルアセットウォレットを発表し、7月にはNFTマーケットプレイスを展開している。

このパートナーシップの期間中、GameStopは米国におけるFTXの優先的な小売パートナーになる予定であるが、このパートナーシップの財務条件は公開されていないとのこと。

GameStopの株価と損失

GameStopは、米国の小売技術ショップのチェーン店であり、この上場企業は、2020年から2021年にかけて、株価が大規模なブルランに突入したことで金融界で有名になった。

2021年半ばに5ドル(約718円)前後で取引されていた株式は、同年後半に価格発見に入り、100ドル(約14,360円)を超える史上最高値まで株価を引き上げており、AMCシアターズ(AMC Theaters)でも同様のことが起こり、両社とも個人投資家のグループが主導したとみられている。GameStopのライアン・コーエン(Ryan Cohen)会長は、投資系VC企業のRC Venturesの投資家でもあり、8月中旬にはミーム株である雑貨小売業ベッド・バス・アンド・ビヨンド(Bed Bath & Beyond)のポジションを売却し、6,810万ドル(約98億円)の利益を得ていることでも知られている。

ブルラン以降、両社は新しい顧客を引き付け、仮想通貨市場と統合する方法を模索しており、FTXとGameStopの新パートナーシップは、その方向への一歩となると考えられている。仮想通貨市場が下降傾向にあるなか、主要取引所プラットフォームはM&A(※Mergers=合併+Acquisitions=買収で企業買収合併)に力を入れており、FTXは取引に参入し、財務的なハードルで仮想通貨企業を救済することによって、イニシアチブをリードしてい。

一方で、GameStopの7月30日までの3カ月間の純売上高は4%減の11億4,000万ドル(約1,638億円)になったと明らかにしており、アナリストの平均予想12億8,000万ドル(約1,839億円)を下回るものであったとのこと。これにより、同社の純損失は1億870万ドル(約156億円)とほぼ倍増し、1株当たりの損失は平均予想の34セントに対して36セントとなっており、GameStopは2021年末以来、四半期ごとの利益を報告していない。