英国・大蔵省とイングランド銀行がCBDCデジタルポンドの調査継続へ

英国大蔵省と中央銀行がCBDC調査へ

HMT(HM Treasury=英国大蔵省)と英国の中央銀行にあたるイングランド銀行(Bank of England)は、英国CBDC(中央銀行の発行するデジタル通貨)の調査に関する次のステップを発表した。

HMTとイングランド銀行は2022年からもデジタル通貨の調査を継続することを明らかにしており、2025年から2030年の間にCBDCを立ち上げる予定とのこと。イングランド銀行は、CBDCについて、新しい形のデジタルマネーとして機能し、個人や企業が日常の支払いニーズのために機能するだろうとの見解を述べている。そのうえで同銀行は、HMTとのデジタルポンド協議で、設計機能、ユーザーとビジネスへのメリットと影響、およびその他の関連する問題を検討していく。両者は2021年4月、CBDCの展開を調査することを目的としたタスクフォースを設立しており、CBDCの設計に関連する問題や国内のCBDCの事例を調査することを明らかにしていた。さらに財務省の経済長官であるジョン・グレン氏は今回の件について、次のように語っている。

この開発フェーズの結果として、CBDCが運用上および技術的に堅牢であると結論付けた場合、英国のCBDCのリリースは早くて2025年ごろになるだろう。


イングランド銀行はCBDC導入について沈黙

イングランド銀行は、CBDCを実際に導入するかどうかについては明らかにしておらず、あくまでも英国のCBDCの最適な設計と、その実現可能性の詳細なテストが実施されるのみである。

一方で、イングランド銀行は将来CBDCがどのような形で導入されるのかについて、デジタルポンドプロジェクトは現金や銀行預金に取って代わるのではなく、それらと一緒に共存することを目的としていると付け加えた。

イギリスの他にもCBDCの可能性を模索している国はたくさんあり、CBDCを検討または開始している他の国には、米国、ナイジェリア、カナダ、ガーナなどがある。CBDC開発に関しては世界中で熾烈な開発競争が繰り広げられているが、最も注目すべきは、中国が独自のCBDCで大きな進歩を遂げ、今年は多くのATMでサポートを追加したことだろう。実際、世界の多くの国はまだCBDCの立ち上げには至ってはいないが、パイロットプログラムを開始している国が多く、中国のデジタル元の展開は複数地域で試行が続けられており、中国中央銀行は10月の時点で1億4,000万件を超える個人口座がデジタル通貨を保有していると報告している。