MAS が2取引所にライセンスを発行
MAS（Monetary Authority of Singapore=シンガポール金融管理局）が、東南アジアで最大のDBS銀行（旧シンガポール開発銀行）が運営する証券会社のDBS Vickersと、オーストラリアのOTCトレーディングデスクであるであるIndependent Reserveに仮想通貨ライセンスを発行したことが分かった。
DBS VickersとIndependent Reserveは、ライセンスを取得したことにより、顧客に仮想通貨仲介サービスを行うことができるようになった。DBSはこの件について次のように語っている。
主要な決済機関としてデジタル決済トークンサービスを提供するために、2019年の決済サービス法に基づいてMASから正式な承認を受けました。
2013年にオーストラリアで設立され、SGD、AUD、USD、およびNZDの法定通貨から仮想通貨への取引ペアを提供することで知られるIndependent Reserveは、シンガポールで個人投資家および機関投資家向けに仮想通貨サービスを提供する初の取引所となる予定 で、エイドリアン・プルゼロズニー（Adrian Przelozny）CEO（最高経営責任者）はライセンス供与後、シンガポール人がデジタル資産を「迅速かつ安全に」処理できるようになることへの期待を表明。シンガポールの仮想通貨エコシステムが地元の投資家に強化された保護を提供するとして、次のように語っている。
十分に規制された環境は、投資家と仮想通貨業界の利害関係者の両方に利益をもたらします。業界向けにカスタマイズされたルールを備えたシンガポールには、アジアのどの管轄区域よりも明確で詳細なライセンス要件があります。そして今、IndependentReserveはシンガポール人が利用できる最初の完全に認可された仮想通貨取引所であり、彼らがシンガポールドルを使用して仮想通貨に出入りすることを迅速かつ安全に可能にします。
急速に拡大するDBS Vickers
DBS Vickersでは、資産運用会社と金融大手がDBS Digital Exchange（DDEx）を介して仮想通貨支払いを行うサポートも行っており、同社資本市場責任者であるエンコック・シート・モエイ（Eng-Kwok SeatMoey）氏は、次のように述べている。
2020年12月にDDExがローンチされて以来、クライアントからの需要は高まりを見せています。 DDExの参加者数は2倍の1,000人になり、デジタルトークンと仮想通貨取引が増えるにつれて、今後3年間で毎年20%から30％増加すると予想しています。回のライセンス取得は、今後数か月でDDExのボリュームを増やし、DBS Vickersのデジタル資産エコシステムの成長の勢いを加速させる可能性があると信じています。
実際、DBS Vickersは8月にMASから原則承認を受けており、それ以来、個人投資家や機関投資家の流入が加速したことも明らかにしている。Binanceなどの主要仮想通貨取引所が規制に直面する一方で、シンガポールでは最近、ますます仮想通貨サービスプロバイダーの選択肢が増えている。
