ビットコインは未来の通貨になるか
去年以降ビットコイン価格が高騰し、今年になって一時700万円をつけた。同時にビットコインを自社の製品・サービスの決済に採用する企業も増えており、将来はビットコインが法定通貨をしのぐ存在になることも予想されている。
金融機関にも受け入れられる
2020年後半以降にビットコイン価格が高騰し、通貨としての普及が加速。金融業界でもビットコインはかなり受け入れられている。米大手金融機関のJPモルガンは、2017年当時はCEOが「ビットコインは詐欺。うちのトレーダーがビットコイン取引をしたら即解雇する」と発言するほどビットコインを拒絶していた。しかしそんなJPモルガンも、現在では「ビットコイン価格は将来14万6000ドルになる(約1600万円)」と発言するほどビットコインの価値を認めている。またビットコインで入出金を開始した金融機関もある。それはFXや他の多くの金融商品を扱うeasyMarketsで、ビットコインで入金し、他の金融商品の売買を行い、出た利益をビットコインのまま出金できる。
他の多くの業界でも普及
金融業界以外の多くの業界でも、ビットコインを自社の製品・サービスの決済に採用する企業が急速に増えた。オンライン決済のペイパルは、昨年10月に仮想通貨を利用した独自サービスを発表。これがビットコイン高騰の最初のきっかけにもなった。オンラインモールAmazonの傘下にあるライブストリーミング配信企業のTwitch(ツイッチ)も、仮想通貨による利用料決済や「投げ銭」機能を取り入れている。コーヒーチェーンのスターバックスもアメリカの店舗ではビットコインによる支払いを受け付けており、オーストラリアとニュージーランドのコカ・コーラは、ビットコインを使って飲料が購入できる自動販売機を導入した。
環境問題などネックも
しかしビットコインの通貨としてのさらなる普及にネックとなる要素もある。例えば環境問題。ビットコインの取引にはマイニングが必要だが、マイニングは大量の電気を消費する。ビットコインの取引全体で消費される1年間の電力量は、すでにアルゼンチンなどの国より多い。そして電力を賄うために化石燃料を燃やして発電が必要で、ビットコインの普及による環境悪化が懸念されている。
米EVメーカーテスラのイーロン・マスクCEOは、1~2月にはビットコインに肯定的な発言を何度も行い結果としてビットコイン価格を押し上げた。しかし5月になると「ビットコインは環境に悪影響があり、テスラ車の決済にビットコインを受け付ける計画は停止する」と発言。この発言が1~2月とは逆にビットコインの暴落につながった。テスラCEOの発言がなくても、ビットコインの環境への悪影響はかなり広く懸念されている。今後ビットコインが通貨として普及するためには、環境問題のクリアが求められるだろう。
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Alt text:ビットコインは通貨として急速に普及している。