BitPayが制裁違反でOFACから調査されていた
BitPayが、制裁違反の疑いでOFAC(米国財務省外国資産管理局)と和解契約を結んだことを2月18日(木曜日)に発表した。
仮想通貨決済サービスを手掛けるBitPayは施行通知によると、ウクライナ、キューバ、北朝鮮、イラン、スーダン、シリアにいるとみられる米国の商人とユーザーの間のデジタル通貨取引に関連する507,375ドル、約5,300万円を送金。OFAC側は、制裁コンプライアンスプログラムにおけるBitPayの「欠陥」が、違反と見なされる可能性のある2013年から2018年までの約2,102件のトランザクションにつながったと非難している。なお、同違反とみられるデジタル通貨の支払い・送金額は129,000ドル、約1,360万円に相当するとのこと。OFACは、これらの明らかな違反についてつぎのように語っている。
BitPayの制裁違反は)自発的に自己開示されたものではなく、非悪質であった。
BitPayによると、個々のトランザクションの大半が100ドル、約1万円未満であり、オンラインホスティングサービスとゲームに関連しており、同社はこれを当時のコンプライアンスプログラムの証拠と見なしていると述べているという。
OFACによると、BitPayはOFACのブロックされた人物リスト(SDNリスト)に対し、同社は位置情報とIPアドレスを持っていたため、認可された地域の個人の取引を容易にしていることを知っていたとのことで、声明で次のように語っている。
BitPayはそれらの顧客をスクリーニングするのに十分な情報を持っていたにもかかわらず、制裁された管轄区域の人々がデジタル通貨を使用してBitPayの商人と取引することを許可したとき、BitPayはその制裁遵守義務に十分な注意または注意を払うことができませんでした。
BitPay広報は、違反が発生した5年間とその後、コンプライアンスプログラムを強化するために努力したとして次のように述べている。
全面的に協力し、この問題を解決できたことを嬉しく思います。BitPayは、規制上の義務を果たし、進化するブロックチェーン決済分野でビジネスを行う例となるように、すでに厳格なコンプライアンスプログラムを着実に強化してきました。
OFACの指摘にBitPay側は協力
今回のOFACの声明は、他のデジタル通貨や関連ジネスが、規制当局の制裁基準に拘束されていることを改めて認識させられた形だ。
なお、PFACの告発により、BitPayは6億ドル、約633億円を超える最巨額の罰金に直面する可能性があった。しかしOFAC側は複数の緩和要素を考慮に入れた事を明かしている。この緩和要素とは、OFACが請求を調査する際に、OFACと協力し、BitPayがコンプライアンス管理、従業員トレーニングを実装し、識別サービスを開始。また、許可された地域でIPアドレスをブロックしたうえで、将来的に同用トランザクションを促進しないようにするための措置を多く講じたことが認められた形だ。
なお、制裁違反とみなされた取引は、その期間に行われた総取引の0.04%を占めており、同社はその後コンプライアンスプログラムを改善したと述べている。