ChainTalk-東京発最新フィンテック情報を発信するビデオメディアプラットフォーム

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スポットライト(Spotlight)シリーズは金融業界、フィンテック、ブロックチェーン、AI、IoT, ゲーム、ITの業界で活躍されているCEO、起業家、投資家、専門家へのインタビューを英語、日本語、中国語の3言語で配信しています。マーケットの最新トレンド、イノベーションをシリーズ形式で配信し、視聴者はマーケット情報を先取りする事により保有資産或いは事業について戦略的判断を下すことが出来ます。

Spotlightシリーズは東京を拠点とし、日本で最も革新的で成功を収めている方々を取り上げていきます。

Spotlightを運営しているChainTalkディレクターEric氏は、カナダのトロントから2018年初頭に初めて日本を訪れ、この国と人々を好きになりました。前職は金融と仮想通貨業界に身を置き、過去200名以上の著名人にインタビューを行った実績があります。

ご出演、インタビューをご希望の方、または出演者の推薦は ウェブサイトにてご連絡頂ければ幸いです。

Spotlight Interview:EMURGO CEO 吉田洋介 氏

EMURGO CEOはどのような人物か?

Qどこで生まれ育ちましたか?

父の仕事の関係でアメリカのニューヨークで生まれ育ちました。日本の大学を卒業後、日本の総合商社に務めておりました。

Q 暗号資産・ブロックチェーンには何がきっかけで関わるようになりましたか?

おそらく多くの人と似ていると思います。元々は数年前にビットコイン、仮想通貨への投資に興味を持った事からブロックチェーンの技術に興味を持ち、ブロックチェーンの業界に飛び込んで見ようと思うようになりました。

Cardano, EMURGOの今後の動向

Q.Cardano/EMURGO/ADAの違いは何ですか?

非常に良い質問です。まだ理解頂いてないところがあるのですが、Cardanoというのはプロジェクトの名前であり、ブロックチェーンそのものの名前です。このオープンソースプラットフォームのプロジェクトを3つの会社が動かしています。そのうちの一つが我々のEMURGOで, Cardanoの商業化を担当しています。

Q. Cardanoのロードマップのフェーズについて説明して頂けますか?

Cardanoのロードマップは5つのステージに分かれています。大まかにいうと今年と来年に2つのマイルストーンが達成される予定です。第2段階のShellyというフェーズで1つの大きなアップデートがあります。コンセンサスアルゴリズムがPOS(プルーフ・オブ・ステーク)であるプロジェクトなので、ステーキングが始まります。これがShellyというフェーズで行われ、次のGoguenというフェーズでスマートコントラクトがリリースされます。これが今年、来年で予定されている大きなマイルストーンです。

Q. スマートコントラクトの利点は何ですか?

スマートコントラクトがあることによって色々なトークンを発行できるようになったり、今まで出来なかったDaapsをスマートコントラクトを使って開発できるようになるなど色々なプロジェクトがCardanoブロックチェーンに乗ってくるということになります。

Q.何故ガバナンス体制にステーキングモデルが選ばれたのですか?

ご存知の通りビットコインはPOW(プルーフ・オブ・ワーク)ですが、電力消費量の問題があったり、充分な分散化がされていないという課題があります。我々はプルーフ・オブ・ステークがそれらの問題を解決すると考え、コンセンサスアルゴリズムに採用しています。

Q. CardanoはEthereumやEOSと比較してどのような特色がありますか?

Cardanoは既存のブロックチェーンが抱えている課題を解決するブロックチェーンになる事を目指しておりまして、その課題は大きく分けて3つあると考えております。一つがスケーラビリティ(拡張性)の問題。ある1つのアプリケーションがブロックチェーンのトランザクション全てを使ってしまうというようなことは充分な拡張性がないと考えておりまして、そういうことを防ぎ、改善していきたいと考えています。

2点目がインターオペラビリティ(相互運用性)の問題です。相互運用性とは何かと申しますと、他のブロックチェーン、既存の銀行のシステム等との相互運用性を指していまして、この点を確保していきたいと考えています。3点目がサステイナビリティ、永続性の観点です。今はIOHKが主体的に開発を行なっていますが、将来的には開発をコミュニティに託して分散化された形で開発を継続させていくという本来のブロックチェーンがあるべき姿にしていくのですが、そうなった時に開発が永続的に進むようにトランザクションフィーの一部を積み立て、開発に充てるという事を仕組みとして導入しています。結果として開発プロセスに2つ大きな違いがあります。

1つが先ほど申し上げたアプローチで、もう1つが我々が採用しているハスケルという非常に難しいプログラミング言語によって英語で言うformal verification、つまり自分が設計したものが設計した通りになっているかどうかを数学的に検証できるブロックチェーンを開発しております。

Q. Emurgoが韓国のゲーム業界に参入する理由は何ですか?

ブロックチェーンの導入が早く進む業界の1つとしてゲーム業界に注目をしておりまして、そういう経緯から韓国ブロックチェーンコンテンツ業界とMOU(覚書)を結んで一緒にブロックチェーンの導入をゲーム業界で進めていく事を推進しております。日本と韓国はブロックチェーンに限らずモバイルゲームやゲーム業界において非常に先進的な動きをとっておりまして、ブロックチェーンの導入についても前向きな話が出来ています。

Q. New Balanaceとのパートナーシップ締結の詳細を教えてください。ブロックチェーン技術をどのように活用していますか?

New Balance社とのパートナーシップ締結については、Cardanoを使ってプレミアムモデルの真贋保証を行う事で協業しております。簡単にお話ししますと、New Balanceの特定の靴を買う時に一緒に複製不能のカードがついてきます。カードには少量のADAが入っています。

そのADAは元々New Balanceから送られてきているADAになるので、そのADAを特定のブロックチェーンのアドレスに刻み込む事により、一緒に買った靴が本物だということが認証できる仕組みです。

Q. 業界全体で多数のパートナーシップを締結してますが、現在ブロックチェーン技術を活用できている製品は多くありません。ブロックチェーン技術を日常的に使用し始めるのはいつ頃になると思いますか?

ブロックチェーンというのはテクノロジーなので、例えばガラパコス携帯からiPhoneが普及していく中で裏で動いているテクノロジーにどれだけ一般の方々が理解していたかというと恐らく理解していないと思います。それと同じようにブロックチェーンもBtoBでどんどん進んでいって、ある日気づいたら一般の方々が使っているものの裏でブロックチェーンが動いている事を認識するようになっていくのかと思います。

そういう意味では一般の方々は来年、再来年には肌感覚で認識されるようになっていくのではと思っております。

Q. ブロックチェーンはあなたにとって何故重要なのですか?

AI, IOT, クラウドデータといったIT関係のテクノロジーが昨今話題になっていますが、 これらのテクノロジーは既存の中央集権的な人達を更に拡大させるような技術という側面が強く、ブロックチェーンというのはそういったものを根幹から変える可能性のある唯一の技術であり、他の技術とは全く次元の違う話であると考えています。その点がブロックチェーンの一番面白い所だと思っています。

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