NEAR Intentsが380万ドルの被害を受けるも全額補償を約束
クロスチェーン・スワップ・プロトコルとして広く知られるNEAR Intents(ニア・インテンツ)が、暗号資産取引所Bitget(ビットゲット)の不正アクセス事件においてハッカーからの資金移動を阻止・支援した直後、自らもセキュリティ上の脆弱性を突く攻撃を受け、約380万ドルの資金が流出する被害に見舞われた。
Earlier today NEAR Intents services were stopped after a security incident was detected. The incident was caused by a bug in the Omni deposit and withdrawal infrastructure interaction with NEAR Intents smart contract.
The preliminary report indicates the total loss of approximately $3.8M. These funds will be compensated in full.
The contract-side vulnerability has been patched. The operations of the NEAR Intents and near(.)com are expected to resume within 1h.
Deposits and withdrawals on the following networks will remain unavailable for an additional ~12 hours while fixes to the Omni infrastructure are completed: BSC, Polygon, TON, Optimism, Avalanche, Stellar, Monad, LayerX, Adi, Scroll and Plasma.
In case users hold any assets from these chains inside NEAR Intents (for example, in HOT wallet or on near(.)com), they will be able to swap them into other assets once NEAR Intents is back up (in ~1h).
The incident has been reported to law enforcement, and we are working with security and blockchain analytics partners to trace the funds and pursue recovery. A detailed report will be shared publicly in the following days.
— NEAR Intents (@near_intents) October 1, 2026
本日未明、セキュリティインシデントが検出されたため、NEAR Intentsサービスが停止されました。このインシデントは、Omniの入出金インフラストラクチャーとNEAR Intentsスマートコントラクトとの連携におけるバグが原因でした。予備報告によると、損失総額は約380万ドルです。これらの…
事件を受け、同プラットフォームは迅速な対応と全額補償を表明している。NEAR Intentsは、セキュリティ上の欠陥を突く攻撃によって約380万ドルの資金が失われたことを公表し、直ちにサービスの停止措置を取った。
チームによるその後の調査で、今回の流出原因はOmni(オムニ)の入出金インフラとNEAR Intentsのスマートコントラクトとの間の連携処理に存在したバグであったことが判明している。攻撃者はこのシステム上の欠陥を悪用し、コントラクト側の修正が行われる前にホットウォレットから不正に資金を引き出している。
ブロックチェーン調査員のZachXBT氏がTelegram上で発表した分析結果によると、流出した資金はNEAR IntentsのBSC(BNB Smart Chain)上のホットウォレットから不審なトランザクションを通じて移動し、その後暗号資産取引所KuCoin(クーコイン)を経由してビットコイン(Bitcoin/BTC)へとブリッジ(交換)されていたことが突き止められている。
現時点で国家主導のハッカー集団等による関与は公式に確認されていないが、資金洗浄の手口には過去の主要ハッキング事件と共通する部分も指摘されている。
迅速なシステム修正と全額補償の約束
インシデントの発生後、共同創設者のイリア・ポロスーヒン(Illia Polosukhin)氏や開発チームは、AI(人工知能)ベースの監視・異常検知システム「SHIELD」が通常の活動パターンから外れた挙動を素早く捉えたと説明。この検知システムのおかげで被害の拡大が防がれ、チームは問題発覚からわずか1時間以内にスマートコントラクトの脆弱性修正を完了させた。
NEAR Intentsおよび公式ウェブサイト(near.com)は速やかにオンラインへと復帰したが、BSCやPolygon、TON、Optimismなど主要な11のネットワーク間における入出金機能については、安全確認やインフラの切り離し作業に伴い、一時的な制限や停止措置が継続されることとなった。また、NEARプロトコルの中核部分やネイティブトークン、その他のエコシステム上のアプリケーションには影響がおよばなかったと強調されている。
共同創設者のポロスーヒン氏は、今回の不正流出によって影響を受けたすべてのユーザーに対し、失われた資金を全額補償することを正式に約束。さらに、今後はより高いセキュリティ基準を自らに課し、形式検証システムの導入や、詳細な事後検証(ポストモーテム)の報告、法執行機関やパートナー企業との情報共有を徹底していく方針を示している。
Bitget事件への対応直後というタイミング
今回のセキュリティインシデントが極めて注目を集めた背景には、そのわずか数日前に発生した別の大規模ハッキング事件との深い関わりがある。
2026年9月24日、中央集権型取引所のBitgetが不正アクセスを受け、約3億8,750万ドル(約611.7億円)規模の資金が流出するという事件が起きた。その際、NEAR Intentsのリスク検知システムSHIELDが防波堤となり、攻撃者が持ち出そうとした5,000万ドル(約79億円)以上のうち約50万3,000ドル(約7,900万円)の凍結に成功しました。
NEAR Intentsのゼネラルマネージャーであるアレックス・シェフチェンコ(Alex Shevchenko)氏は、凍結された資金について適切な法的手続きを経てBitgetへ返還する意向を示し、回収に際して通常の報酬(バウンティ)を請求しない方針をとっていた。
Bitgetからの資金凍結やその直後の自社プラットフォーム被弾、そして迅速なサービス再開と全額補償の表明といった一連の動向は、暗号資産コミュニティの間で分散型プロトコルのセキュリティ体制や資産管理のあり方について大きな議論を呼んでいる。
























