コインチェックハッキング、流出NEMの交換容疑で30人立件へ

コインチェックNEM流出でついに逮捕者

仮想通貨市場に激震が走った2018年1月、仮想通貨取引所「コインチェック」から580億円相当のネム(NEM/XEM)が流出した事件で、警視庁が1月11日、流出したNEMと知った上で別の仮想通貨と交換した容疑者ら30人を逮捕・拘束したことが分かった。

拘束された30人のほか、仮想通貨取引に応じた罪で、組織犯罪法違反(犯罪収益収受)容疑で北海道に住む30代医師と、大阪府在住の30代会社役員を逮捕したことが時事通信社デジタル版JIJI.COMで報じられている。NEMはほぼ全額、ビットコイン(Bitcoin/BTC)やライトコイン(Litecoin/LTC)に交換されており、その後1万3,000件以上の口座に分散されている。交換に応じて逮捕された2人が受け取ったNEMの一部は、ウェブ上にある仮想通貨取引所に送金されたという。

流出NEMは闇サイト経由で交換

今から3年前の2018年1月26日、コインチェックは外部からの不正アクセスにより、ハッキングに見舞われた。その後、19のアカウントを介して転送された5億のNEMトークンが盗まれた。コインチェックは、取引所が保管していた顧客の仮想通貨を、コールドウォレットではなくホットウォレットで保存されていたことが後の調査で発覚している。

警視庁サイバー犯罪対策課によると、流出したNEMはダークサイト(闇サイト)を通じてNEMを割安で別の仮想通貨に交換すると持ち掛け、逮捕された2人もこの交換に応じたものとみられている。なお、捜査関係者への取材に対して30代医師は「おはなしできません」と供述しているという。

NEM流出事件をめぐって逮捕者が出たのは今回が初めてで、警視庁では捜査本部を設置。100人体勢で捜査を続けており、NEM流出に関与した容疑者については未特定のまま、不正アクセス禁止法違反、電子計算機使用詐欺容疑などの容疑も視野に入れ、引き続き捜査をすすめていくという。

海外メディアの報道には、逮捕された2人の実名や、相場より15%安い価格で取引に応じたことが報じられている。

盗まれた資金のアドレスを公開

コインチェックは、盗まれた資金のすべてが保持されていた11のアドレスを公開している。

アドレスの所有者は不明のままだが、アカウントは現在もオンラインで利用可能で、「coincheck_stolen_funds_do_not_accept_trades:owner_of_this_account_is_hacker」のラベル付けがされている。

NEM開発者側は、追跡メカニズムを起動させ、取引所がハッキングに関連する資金を自動的に拒否することを保証。しかし、規制当局である金融庁は、ある程度の匿名性を提供する仮想通貨を禁止するように動いている。

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