ブロックスタック(Blockstack/STX)の特徴・詳細とは|SEC初承認のICOプロジェクト


ブロックスタック(Blockstack/STX)の特徴・詳細とは|SEC初承認のICOプロジェクト

仮想通貨Blockstack(STX)は2017年11月6日から12月1日という短期間のトークンセールスにて、目標調達金額の50億円の資金調達に成功しました。

どのようなプロジェクトなのか詳しくは後述しますが、簡単に説明すると、「非中央集権型アプリを使用しユーザーのデーターを自分自身で管理することができる」プロジェクトです。Blockstackは、分散型アプリを簡単に構築することを目標に、分散型アプリやスマートコントラクトを構築するためのオープンソースで開発者に優しいネットワークの提供を目指しています。

2019年8月22日には、株式会社リクルートホールディングス子会社であるRPS Blockchain Tech Fund.Ltd.を通じ出資を受けたことで話題にもなりました。

この記事ではBlockstackとはどのような仮想通貨なのか徹底的に解説していきます。最後まで読めばきっとBlockstackがどのようなものか分かるように書いていますので、是非ご覧ください。

Blockstackは、米SECの初承認を受けたプロジェクト

前述したようにBlockstackはICOで約50億円の資金を調達に成功しました。それ以外にもベンチャーキャピタルから約8億円。2017年のAラウンドで個人投資家から4億円。2014年にも1億3,000万円の資金調達に成功しています。ここで特筆すべきはSECの規定に則ったトークンセールを行ったということです。

SECとは米国証券取引委員会のことで、株式や債券などの証券取引の監督・監視を行う機関です。2019年7月11日にRegulationA+に基づきBlockstackを発行しているBlockstack PBC社にトークンセールを承認し、2019年9月9日までの60日間の期間に行われ、約16億7,012万円もの額の資金調達にも成功しました。

2019年当時SECに承認された仮想通貨はBlockstackだけでした。現在でも、多くの仮想通貨がSECの承認を受けることができていない状況です。その理由は価格操縦や、カストディサービスの欠如が理由です。カストディサービスとは投資家の代理人として有価証券の保管や管理配当金などの代理受領、運用成績の管理などをする常任代理人業務のことをいいます。

SECの承認は難したと、アジアへの展開

SECの承認を受けられていない代表的な仮想通貨を例に挙げると、ビットコインのETF承認です。

2017年3月に初めてウィンクルボス兄弟がSECに申請して以来、2020年9月現在に至っても承認を受けられてはいないのが実情です。米国中心だったBlockstackでしたが、アジアの著名ファンドからの出資を受けたことで、マーケットをアジアにも広げていくとされています。

中央集権型のアプリと非中央集権型のアプリについて

冒頭でBlockstackは、「非中央集権型アプリユーザーのデーターを自分自身で管理することができる」と説明しました。詳しくは後述しますが、アプリには中央集権型と非中央集権型の2種類があります。現在多くのアプリは中央集権型だと思ってもらうと良いでしょう。

Blockstackがどのような特徴をもっているかの説明の前に、中央集権型のアプリと非中央集権型のアプリとはどのようなものなのかを整理しておきましょう。この項では『非中央集権型アプリ』とはどのようなものかを書いていきます。

「中央集権アプリ」のメリットとデメリット

中央集権型のアプリの代表例がTwitterやLINEなどです。中央集権型のアプリは運営団体がユーザーの情報を管理することで、トラブルが発生したとしても迅速に対応することができることなどのメリットがあります。

一方で、運営団体のサーバーだけでデーターが管理しているので、ハッキングをされてしまう危険性や、運営団体の社員が情報を外部に漏らしてしまう可能性が中央集権型のアプリのデメリットです。

「非中央集権型アプリ」のメリットとデメリット

非中央集権型のアプリは一つの企業で運営・管理しているのではありません。
アプリに参加をしている事業者全員が、ユーザーの情報を管理しているということから、ハッキングに対して非常に強固なことがメリットです。

デメリットは問題が発生した際、誰が責任を取るのかなどはっきりしないことが挙げられます。

非中央集権型のアプリの代表的なアプリが電子メールです。Gmailやヤフーメールなど各社とも若干の違いはありますが、大まかに使い方はほぼ一緒なので、問題なく使っている方も多いでしょう。誰か一人に権力が集中するのではなく、ルールを守ってみんなで運営をしていくというのが非中央集権型のアプリとなっています。

Blockstack(ブロックスタック)の4つの特徴

Blockstackの大きな特徴は冒頭で書いたように「非中央集権型アプリを使用し自分自身でデーターを管理できる」というものです。仮想通貨のプロジェクトの中には、Blockstackと似たようなプロジェクトは数多くあるというのが実情となっています。

ですがBlockstackは、SECに正式に承認され、様々なベンチャーキャピタル(VC)やファンドから多額の資金を調達することに成功しています。これは他のプロジェクトにはないBlockstackだけの特別な4つの特徴があるからです。

ここからは、Blockstackにどのような特徴があるのかを詳しく解説していきます。

Proof of Transfer(POX)

仮想通貨のコンセンサスアルゴリズムは一般的に、「Proof-of-Work(PoW)」や「Proof-of-Stakes(PoS)」が挙げられます。

Blockstackは「Proof of Transfer(PoX)」という独自のコンセンサスアルゴリズムを採用しています。このPoXは、確立されたブロックチェーンであるPoW基盤の仮想通貨を使用して新しいブロックチェーンを保護するマイニングメカニズムです。

パブリックブロックチェーンのコンセンサスアルゴリズムに参加するには、計算リソースおよび、資金を投入する必要があります。例えば、PoWブロックチェーンでは、マイナーと呼ばれる参加者が、大量の計算能力を提供する「作業」を行い、そのブロックチェーンで発行される仮想通貨を受け取ります。

PoXブロックチェーンにおけるマイナーは、計算リソースをコミットするのではなく、確立されているブロックチェーンのPoW基盤の仮想通貨をネットワークの他の参加者に転送することによって、作業をコミットすることができます。

Blockstackは、非常に安全性の低い多くのブロックチェーンを使用する代わりに、PoXを採用し、新しいブロックチェーンを非常に安全なPoWブロックチェーン(ビットコインブロックチェーンなど)に固定することができるモデルを提供します。またPoXは初期の参加者にインセンティブを提供し、初期の参加者から新しいブロックチェーンを保護することを奨励しています。

PoXはStacksブロックチェーンでどのように機能するのか?

PoXを採用している場合、Stacksブロックチチェーンは転送されるPoW基盤の仮想通貨であるビットコイン(BTC)を使用します。Stacksマイナーは、ビットコインブロックチェーンとStacks2.0ブロックチェーンのコンセンサスアルゴリズムに参加するため、両方の状態を追跡します。

マイナーは、積極的に参加しているStacks保有者のビットコインアドレスに合意し、これらの参加者にBTCを転送します。検証可能なランダム関数または、VRFを使用して選択されたマイナーは、Stacksブロックチェーンに新しいブロックを書き込み、新しく作成されたStacks(STX)トークンという形で報酬を獲得します。

なぜビットコインブロックチェーンを使用するのか?

ビットコインは、他の通貨から群を抜いて最も安全なブロックチェーンとして知られています。理論的には、他のPoWブロックチェーンを使用できますが、ビットコインのセキュリティプロパティは現時点でも最も優れています。さらに、ビットコインを取り巻く健全な開発者エコシステムは、成長し続けており、ビットコインとBlockStacksブロックチェーン間のチャネルを軽減するなど、将来的なイノベーションに最も近い存在なのです。

BlockstackのCEOであるMuneeb Ali氏は、ビットコインの採用について次のように語っています。

ビットコインの上に何かを構築したり、ビットコイン開発者のエコシステムの中で革新的なことをしたりするための大きなチャンスがあると思うし、ビットコインコミュニティはこの革新に対してもっとオープンになる必要があると思う。これはEthereumで見てきましたが、多くの革新的なスタートアップがEthereumの周りで面白いことをしています。 

アプリ開発が非常に簡単

Blockstackのスマートコントラクトを開発するには、Clarityという言語を使用する必要があります。しかしClarityはJavaScripのフレームワークを使用しているだけではなく、JavaScrip APIを使用するので複雑な操作はいりません。

JavaScrip開発者の場合でしたら、1時間ほどでアプリが開発できるとされています。一般的にDapps(分散型アプリケーション)を作成する場合、イーサリアムのスマートコントラクトを開発する際に使用されているSolidityの習得が必須なのですが、Solidityという言語は非常に難易度の高い言語として知られています。

また、Solidityが使えるだけではなくブロックチェーンの知識も必要です。Clarityはブロックチェーンの知識が無くても、アプリの開発をすることが可能なので、プログラミング初心者でも参入しやすい環境にあります。

既にBlockstackには、270を超えるアプリが構築されており、こちらから詳細を確認することができます。以下の画像は、インストール数別の上位10のアプリです。

データー制御を強化するために作られたGAIA

GAIAとは前述した『自分の自身のデーターを管理できる』というシステムです。自分自身のデーターを管理・保管する場合、まずデーターを暗号化し非公開にします。

そしてオフチェーンデーターでアプリケーション外部にデーターを管理・保管するという手法なので、個人情報のハッキングや盗み見などの心配はありません。もちろん自分以外人間が個人情報にアクセスをすることはできないようになっています。

1つのIDだけでOK

多くの方がスマートフォンやPCで様々なアプリをダウンロードしていることでしょう。しかし、本人確認や初期登録は非常に面倒なのは事実です。

これは様々な企業が、独自のサービスを提供していることが起因しており、前述した中央集権的なアプリのために起こる事例です。中には、全部同じにしている方もいるかもしれませんが、そうなると何かあったときに全て使えなくなる可能性があります。

そこでBlockstackが提供しているのがユニバーサルIDというものです。ユニバーサルIDは1つのIDがあれば、Blockstack上のアプリ全て情報が共有されるので、面倒なパスワードやら本人登録をする必要がなくなります。

Blockstackを購入できる取引所

Blockstack(STX)を購入できる取引所は現時点で、バイナンスをはじめとする計4カ所の仮想通貨取引所です。

Blockstackが最初に上場した取引所はバイナンスですが、言わずと知れた世界トップクラスの取引所として、取引通貨数は700以上を誇っています。取引手数料の安さはもちろん、レバレッジ取引もすることが可能な仮想通貨取引所です。

Blockstackの2020年下半期から2021年までのロードマップ

数千という数の仮想通貨がありますが、実際はほとんどのものが詐欺だといわれています。では数千もある仮想通貨の中で、開発がしっかり進んでいて信頼のできる仮想通貨とはどのようなものでしょうか。

それがこれから説明するロードマップと、どのようなスタッフが携わっているかを確認するということです。もちろんロードマップと開発者がネット上で公開されていたとしても、絶対に大丈夫ということはありません。しかし、少なくともこの2つがない仮想通貨に投資をすることは止めるべきでしょう。

ではまずはBlockstackのロードマップはどのようになっているのかを、2020年下半期から発表されている2021年までの予定をみていきましょう。

2020年下半期

・Stacks2.0メインネットは全て正常に終了すると起動
・Stacks 2.0メインネットは、5つのテストネットフェーズすべてが正常に終了すると起動します。(メインネットの立ち上げの現在の見積もりは2020年秋)
・Clarityスマートコントラクト言語はStacks 2.0メインネットで公開されています。
・オンボーディングを簡単にするログインSDK。
・アプリ間でユーザーデータを共有するためのコレクション。
・Ledger統合を備えたAndroid Stacks 2.0ウォレット。
・Clarity言語ツールと開発者向けリソース。コミュニティ主導のApp Mining 2.0の提案と実験的助成金。

2021年

・Blockstackインフラストラクチャと統合のためのエコシステム補助金。
・アプリ開発者のインセンティブのためのApp Mining 2.0。
・Blockstackエコシステムのスタートアップ(RFS)のリクエスト。アプリと新しい暗号資産をスケーリングするためのアプリチェーン。

Blockstackのプロジェクトチームとアドバイザー

最後にBlockstackのプロジェクトチームの主要メンバーとアドバイザーの4人を紹介していきます。プロジェクトチーム、アドバイザー共にプリンストン大学出身の方が多いことが特徴です。

プロジェクトチームの詳細:https://www.blockstack.org/about

Blockstackのプロジェクトチーム

・Muneeb Ali(プリンストン大学博士号取得)
・Patrick Stanly(Ellison Sunglasses創業者兼CEO)
・Jeff Domke(元CPO、Signal共同ファウンダー)
・Diwaker Gupta(元工学ENGのディレクター)
・Aaron Blankstein(プリンストン大学コンピューターサイエンスで博士号と修士号取得)
・Jesse Soslow(Everwiseのオペレーション担当元シニアディレクター)

Blockstackのアドバイザー

・Albert Wenger(USV、マネージングパートナー)
・JP Singh(プリンストン大学教員)
・Dave Morin(PathおよびSlow Ventures共同創設者)
・Michael Freedman(CTO TimescaleDB共同創設者、プリンストン大学教授)

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