マルタ共和国が仮想通貨・ブロックチェーン先進国へ|VFAA(仮想金融資産法)とは?

マルタ共和国が仮想通貨・ブロックチェーン先進国へ|VFAA(仮想金融資産法)とは?

マルタ共和国は、ヨーロッパの南に位置する共和制国家であるが、最近仮想通貨関連企業が次々にマルタに進出しており、仮想通貨取引所BinanceやOKExなどの超大手取引所が拠点を置く「ブロックチェーン島」と呼ばれるほどになっている。ではなぜ、マルタ共和国がこのように仮想通貨で注目されるようになったのか。このことについて考えていくことで、多くの仮想通貨関連企業がマルタに目を向ける理由がわかってくるだろう。

マルタ共和国は、非常に面積の小さい国で鉱物資源などはなく、欧州、アフリカ、中東を結ぶ航路の真ん中にあるという立地から長らく造船業や金融業で発展してきた。その後需要が伸び悩んだ際に法人税を格安にすることで、タックス・ヘイブンとしてたくさんの海外企業を誘致してきた。そのため、仮想通貨やブロックチェーンスタートアップ企業の拠点としても好まれるようになり、BinanceやOKExなどの超大手仮想通貨取引所などが拠点としている。

なぜマルタ共和国へ、注目が集まっているのか?

マルタ共和国は、仮想通貨市場において世界トップクラスの法整備を整えている。その理由として2016年には、マルタ政府主導でブロックチェーンタスクフォースを設立、分散型台帳技術(DLT)の機会を実現させた。また2018年11月には、世界で初となる本格的な仮想通貨法案「Virtual Financial Assets Act / VFAA(仮想金融資産法)」が成立し、ICO(イニシャル・コイン・オファリング)やDLT(分散型元帳技術)の定義付けがなされ、ここから急激に仮想通貨の規制が整い始めた。

さらに同月6月に、「賃貸契約のブロックチェーン管理の義務化」を政府が決定するなど、ブロックチェーン領域への進出を本格化。これに続けて2019年7月には、マルタ共和国のシルビオ・シェンブリ経済革新部長官が、政府の企業登記システム(MBR)にブロックチェーン技術を採用すると宣言している。

このように世界のトップを走るマルタ共和国の仮想通貨法整備へ拠点を移す企業やプロジェクトも増加。世界で最も多い仮想通貨取引量を誇るBinance(バイナンス )や、OKEx(オーケーイーエックス)などがマルタ共和国へ拠点を果たしている。

VFAAライセンスの取得は、困難を極める

ICOに関する法律ができたため昨年は多くの企業が集まったが、マルタが制定する法律は「UT(ユーティリティトークン)とST(セキュリティトークン)の間にあるグレーゾーンを明確に規定した新しい法律」である。そのため既存の金融ライセンスとほぼ同レベルの高い基準を設定、金融経験のないスタートアップ企業がライセンスを取得することはほぼ不可能だと言える。

また、多くの企業がマルタよりも基準の低いエストニアなどの国に拠点を移している。しかし、基準が低いということはそれだけ世界から信頼を得ることが難しくなってしまうということであり、プロジェクトの信頼性を獲得するためにはマルタでの基準を超えることが重要になってくるだろう。

さらに、マルタは国をあげて仮想通貨をリアルな社会でも有効活用できるブロックチェーンアイランドを目指しており、世界で初めて政府機関にブロックチェーン基盤のシステムを導入する旨を発表している。地元メディア、マルタ・インデペンデントの報道によると、ブロックチェーンを導入することで、システムを効率化し不要な官僚手続きを減らすことを目的としているようだ。今年6月に就任したジョセフ・ムスカット首相はブロックチェーンに好意的であり、不動産の賃貸契約をブロックチェーン台帳で管理する計画を明示するなど、本格的にブロックチェーンアイランドを目指している。

VFAA取得までのスタートアップの実情

現在、多くのブロックチェーン関連企業がこのマルタでVFAAを取得を希望してるという現状があり、その中の一つがブロックチェーン投資プラットフォームを手がける「BELEGA」という企業である。BELEGAはブロックチェーンを活用した「クラウドファンディング・プラットフォーム」として開発を進めており、VFAAを取得することで基準に則った資金調達を行うことを可能にすることを目指している。

BELEGAの開発者は投資プラットフォームということで、法規制がしっかりとしているこのマルタを拠点として選んだという。マルタでのVFAへの登録は非常にハードルが高くBELEGAは現地の弁護士事務所と連携して手続きを進めているとのことだ。

これまで250社を超える弁護士事務所やサービスプロバイダーが申請を提出していたと言われているが、今年4月に実際にVFAエージェントに認定された法律事務所はわずか14社であり、約60%は書類選考ではじかれており、審査手続きまで進むことができなかったと報道している。また、ICOに関してもマルタはICOによる資金調達に対して比較的ポジティブなルールを持っている一方で、非常に厳しいレギュレーションが設けられている。

Malta AI& Blockchain Summitが11月に開催| クラファンプロジェクトBELEGAへ注目が集まる

2019年11月7日&8日、マルタ共和国において仮想通貨・ブロックチェーンカンファレンス「Malta AI & Blockchain Summit Winter(マルタAI&ブロックチェーンサミットウィンター)」が再び開催されることが決定し、市場のユーザーや投資家らから注目を集めている。2019年5月23日&24日の2日間には、マルタ政府主導としてMalta AI&Blockchain Summitが開催され、世界各国から仮想通貨およびブロックチェーンの著名人が集結し、大好評で幕を閉じた。

2018年にも同カンファレンスが開催されており、ブロックチェーンとAIテクノロジーを組み合わせた技術の発展と、意欲的にフィンテック法案の整備を進めるマルタ政府主催のイベントには、Scott Stornetta、John McAfee、Winklevoss兄弟のような著名なVIPゲストが来場、8,500人以上のブロックチェーン著名人らが参加した。

近年、世界各国の団体や機関から注目されている「ブロックチェーン技術」と「AIテクノロジー」に焦点を当てられ、意欲的にフィンテック(金融)分野への進出を目指すイベントである。世界トップの仮想通貨関連の規制が整っているマルタ共和国にて毎年開催され、世界最大級のカンファレンスへと成長。本カンファレンスでは、IEO(イニシャル・エクスチェンジ・オファリング)とSTO(セキュリティ・トークン・オファリング)へ興味をもつ、ユーザーが来場している。

2019年5月23日&24日で開催されたカンファレンスでは、80を超えるプロジェクトが参加。世界のトップを牽引するテクノロジー企業や、ベンチャー企業などが集まり、従来注目されてきた根本的なブロックチェーン技術だけではなく、理論的なユースケースや、インターネット社会にマッチした実用的な導入に関する議題を中心にセッションが進められたようである。

最注目プロジェクト「BELEGA」

80を超えるプロジェクトが参加するMalta AI & Blockchain Summit Winter(マルタAI&ブロックチェーンサミットウィンター)にて、同ライセンスを申請しているプロジェクト「BELEGA」が注目を集めている。先ほど説明したように仮想通貨、ブロックチェーン市場ではマルタ共和国でのライセンス取得を目指している状況だ。

このように世界から注目を集めるマルタ共和国にて、プロジェクトと投資家を繋ぐプラットフォームを構想するのがBELEGAプロジェクトである。同プロジェクトは現在、マルタ共和国にてライセンス(VFAA)を申請しており、BELEGAプロジェクトへとVFAAが承認された後、プラットフォームを構築。資金調達を目指す興味深いスタートアッププロジェクトへのリーチを目指し、将来的にSTOの取り扱いを検討している。

さらにSTO分野については、マルタ共和国だけではなく、ユーロ圏への進出を目指しているため、2019年11月7日&8日に開催予定のカンファレンス「Malta AI & Blockchain Summit Winter(マルタAI&ブロックチェーンサミットウィンター)」では、最も注目されているプロジェクトのひとつとなっている。

最注目のSTO(セキュリティ・トークン・オファリング)とは

プロジェクトは最初、STOを行う場合、各国が定める有価証券を使った資金調達の法律に準じる必要がある。実際に多くの国では金融庁によるライセンスまたはレギュレーション登録企業しかプロモーションや販売が行えない。

更に、投資家の懸念である規制の不確実性は払拭され、導入を検討しているプロジェクトや企業にとっては、規制の準拠方法がより明瞭になる利点が生まれ、STOにかかる費用は低く抑えられることから、IPOと競合する方法として発展することも予想されている。また、STOを行う場合は大きなコストはかかるが、IPOと比べた場合には低コストで資金調達が可能というメリットもある。

プロジェクトは、証券型トークンを用いることで、その基盤となる資産をより小さな単位に分割することができるようになり、小口での分割所有が可能になることから、単価が高く参入できなかった投資家層に間口を広げ、流通市場での取引も容易になり、市場の活性化も期待される。プロジェクトはSTOを行うためには、債権や株式といった有価証券を発行し、ST(セキュリティトークン)化される必要があり、このST化される有価証券については、現在各国が法整備を進めている。

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