ウエスタンユニオンがステーブルコイン競争に参入
ウエスタンユニオン(Western Union)は、デジタルウォレットサービスを強化するため、ステーブルコインの導入を検討していることが分かった。
同社は、進化する送金市場で競争力を維持するため、ステーブルコインを導入し、自社のグローバル決済システムへの統合を検討している。現在送金業者は、国際決済および送金におけるステーブルコインの導入拡大によるプレッシャーに直面しており、同社は、より迅速な国際取引とステーブルコインから法定通貨への変換を目指している。
同社のデビン・マクグラナハン(Devin McGranahan)CEO(最高経営責任者)は、ステーブルコインは「送金の高速化、現地通貨への変換、そして新たな連携によるイノベーションのチャンスである」と訴えている。ステーブルコインは、スピードやコスト効率に加え、流動性を提供することで送金サービスを変革し、同社やマネーグラム(MoneyGram)といった既存企業に挑戦状を叩きつけている。
同CEOは、ステーブルコインをビジネスチャンスと捉え、「ステーブルコインを脅威ではなく、真のチャンスと捉えています」と回答。これらの技術をグローバル決済システムに統合するため、インフラとパートナーシップを積極的に活用している事をブルームバーグのインタビューで述べている。なお、175年の歴史を持つ送金会社同社は、ステーブルコインを導入するとの報道を受け、勝てないなら仲間になるべきだと決断したと報じられている。
ウエスタンユニオンはステーブルコインの売買も検討
ウエスタンユニオンは、顧客が自社のプラットフォームを通じてステーブルコインを売買できるようにするための提携も検討している。
同CEOは、世界各地でオン・オフランプ(入出金・出金ランプ)を希望する人々との提携も検討しており、ウエスタンユニオンの資金入出金を利用して、人々がステーブルコインを売買できるようにする方法も検討してと説明したうえで、次のように語っている。
世界中の顧客に、当社のデジタルウォレットでステーブルコイン製品を提供する方法を検討しています。これらの取り組みにはインフラ企業との提携も含まれます。
ステーブルコインは、より迅速で、より安価で、よりアクセスしやすい代替手段を提供することで、従来の送金・越境決済事業者に圧力をかけている。普及が進むにつれて、これらの事業者は適応しなければ、地位を失うリスクを負うことになる。
なお、ウエスタンユニオンはすでに南米とアフリカで新しい決済プロセスを導入しており、より迅速な送金と現地通貨の両替を促進しているという。