ピヴクス(PPIVX/IV)の特徴・詳細とは?

ピヴクス(PPIVX/IV)の特徴・詳細|匿名性と高速トランザクションの仮想通貨

PIVX(ピヴクス/PIV)は、BitcoinとDashの技術をベースに、匿名性と高速トランザクション処理を目的として作られた仮想通貨トークンです。2016年2月にDarknet(D-NET)という名でリリースされ、2016年の後半にPIVXにリブランディングしています。PIVXという名称は、「Private」(プライベート)、「Instant」(即時性)、「Verified」(承認)、「Transaction」(取引)を由来としてつけられたそうです。

発行枚数はPowフェイズで約4300万枚、PoSフェイズで無制限(毎年約260万枚ずつ増加)ということで実質無限となっており、広く浅く流通して使われるような決済用仮想通貨となることを狙っていると考えられます。実際、マイクロトランザクションと呼ばれる、少額決済分野での流通を視野に入れて開発が進められています。

リリース当初の価格と2018年1月につけた最高値が、ドルベースで3000倍以上の開きとなっており、草コインの中でも最も高騰した仮想通貨としてしばしば話題に挙げられます。

そんなPIVXについて、匿名性、coinjoin、ゼロ知識証明などの技術的側面、今後どう展開していくかなどの予想など詳しく解説していきます。

ピヴクス(PPIVX/IV)の最新価格・相場・チャート・評価


ピヴクス(PPIVX/IV)の特徴・詳細

Bitcoinの抱える問題とされているもののひとつとして、取引をトレースできてしまうというものがあります。プライバシー問題などと呼ばれている問題です。もし自分の公開鍵が漏洩してしまったら、ブロックチェーン上でその漏洩したアドレス情報から、自分のこれまでの決済や取引履歴、総資産までがすべて筒抜けになってしまうというものです。個人ならまだしも、企業などでこれが起こってしまうと、ビジネスが成り立たなくなってしまう場合があります。Bitcoinの利用が企業から敬遠される理由および仮想通貨が普及しない理由として、この問題が取り上げられることは多いです。

PIVXの匿名性

PIVXはこの仮想通貨のプライバシー問題を、Coinjoinと呼ばれるコインミキシング技術と、ゼロ認識照明のアルゴリズムを組み込んだプログラミングで解消し、高い匿名性を実現しています。これが、PIVXの最も大きな特徴です。

Coinjoin

Coinjoinは、複数の取引情報をいったんミックスし、再分配するというミキシング技術です。ミキサーの中に入れた果物のように、取引をごちゃまぜにしてしまい取引の出金元と入金元の関係紐付けを分断することで、第三者がトレースをすることが不可能になります。このミキシング技術は、匿名性を売りにしているDASHや

ゼロ知識証明

ゼロ知識証明は、Zcashなどでも採用されている考え方で、一つの情報の塊について、中を見ることなく真実性を確保する方法です。これをアルゴリズム化することで、誰か誰にどの程度送金したのか外部に漏洩しないようになります。

匿名にすることの課題

取引を匿名にすることでの課題としては、ひとつのトランザクションが肥大してしまうという点が挙げられます。トランザクションが大きくなってしまうと、送金が遅くなってしまうスケーラビリティ問題につながります。このことを、PIVXは「Swift TX」という仕組みを導入することで解消することを模索しています。次の項で解説していきます。

ピヴクス(PPIVX/IV)の強み

ビットコインの新しいブロックを生成する時間(取引の承認時間/トランザクション処理)は10分です。海外に送金する時間に10分しかかからない、とするとこの時間はとても短いですが、普通の店舗などでの決済の際に10分もかけないと取引が完了しないとすると、利便性があるとは言えません。

また、ブロックのサイズが決まっていることで、多数の取引が行われた際に円滑な処理ができないことがあります。それがスケーラビリティ問題です。先に述べた通り、匿名性を高める行為はトランザクションが大きくさせるということになり、問題に拍車をかけてしまいます。PIVXは、このスケールに関する問題に、トランザクションを高速にすることで対応しました。

高速トランザクション処理

PIVXは「Swift TX」という仕組みを採用することでブロック生成時間を60秒程度に短縮し、即時決済で仮想通貨コインの支払いをすることが可能としています。これはPIVXの最大の強みとされています。

可変リワードシステム

PIVXは、取引承認を行うマイニングの仕組みにも独自のシステムを取り入れています。可変リワードシステムというものです。PIVXは分散型の合意アルゴリズムを採用していますが、合意形成を円滑に運営するため、PIVXを1万以上保有しているユーザー(マスターノード)に、報酬が配分されるという仕組みになっています。

このシステムが「可変」なのは、シーソーアルゴリズムにより、マスターノード数とステーキングユーザー数に合わせて配分が変化する点です。マスターノード数が少なくステーキングユーザー数が多い際は、リワード報酬がマスターノードに多くなるように配分され、数の比率が逆の場合は報酬配分も逆になります。このことで、マスターノードの数が増えすぎることなく、運営が中央集権になりすぎないという自律システムの実現がされているのです。

ピヴクス(PPIVX/IV)の爆上げ時期

PIVXは、取引が開始されてから、長く1年程0.004ドル近辺をよこよこの状態で推移していましたが、2017年3月に一気に100倍ほど値上がりしました。これは類似通貨のDASHが大手仮想通貨取引所であるBitfinexで取引を開始したことに連動して上がったものだと言われています。その後、2017年後半から2018年は、他の仮想通貨同様に大きく値を上げ、2018年1月に13.8ドルを記録しています。最初の価格の3000倍を超える値上がりです。

その後は、他の仮想通貨と同様に大きく値を下げ、現在は0.5ドルを割っている状況です。

ピヴクス(PPIVX/IV)の評価まとめ

PIVXは今後どのように普及していくのでしょうか。これまで述べてきた通り、匿名性と高速なブロック生成処理をアドバンテージとすることができるかが焦点となると考えられます。

PIVXの将来性

匿名性については、2つの観点から課題を設定することができます。一つは国際的な規制、もう一つは他の類似仮想通貨との棲み分けです。また、高いトランザクション処理についても、他の仮想通貨との兼ね合いの観点から注目したい事項があります。追ってみていきましょう。

国際的な規制

高い匿名性を持つことによる便利さは、一般のユーザーよりも犯罪者やテロリスト、マフィア、マネーロンダリングなど、ブラックな組織や集団に親和性が高く、彼らに利用されてしまう恐れがあります。犯罪が起きても追跡ができない非中央集権的なシステムの通貨は、国としてはその流通を嫌がることは予想が難しくありません。

このことで、大手企業がPIVXに出資をするということは考えにくいでしょう。上場している株式会社は非合法的なことをしてしまうと株主の支持が得られず破綻するので、国が推奨しないプロジェクトに多額のお金を出すことはまずありえません。

類似の匿名系仮想通貨

また、高い匿名性を持つ仮想通貨コインは他にもあります。具体的には、Dash、Monero、ZcashでこれらがPIVXと比較されることも多いです。この中でゼロ知識証明のアルゴリズムを導入しているのはZcashのみで、匿名系の仮想通貨としてPIVXはトップクラスの技術を持つとは言えます。しかし、これら3通貨は時価総額もPIVXよりも高くより流通していると言えるので、これらの仮想通貨よりも利便性が高いという市場評価がないと、PIVXが広く使われることは難しいと考えられます。

高速決済仮想通貨

さらに、高いトランザクション処理能力についてですが、前述のとおりPIVXのブロック生成時間は60秒で、Bitcoinの10倍となっています。しかし、他の仮想通貨を見るとRippleは約4秒、Liskは約10秒とされており、決済スピードをより速くすることを目的として開発を急いでいる仮想通貨は他にも数多くあります。高速決済は仮想通貨全体の課題なのです。そのため、決済スピードをアドバンテージとするには競争率の高い戦いを勝ち上がらなければいけないことになります。

今後のPIVXの将来を考える場合、以上の課題について合わせて考えていく必要があります。