バイナンストークン(BinanceToken/BNB)の特徴・詳細とは?

バイナンストークン(BinanceToken/BNB)の特徴・詳細とは?

BinanceCoin(バイナンスコイン/BNB)とは、地中海の島国マルタを拠点にしている仮想通貨取引所バイナンスが管理・運営している仮想通貨です。現在、世界でも最大手の取引所として上り詰めているバイナンスですが、以前は香港を拠点としていました。マルタへと本部を移転したのは、2018年3月のことになります。

BNBの特徴は、バイナンスで常時行われている仮想通貨の取引手数料の支払いやバイナンスで不定期に行われているバイナンスへ上場する仮想通貨を投票するイベントの参加料に使うことが出来ることです。

更にバイナンスでは、BNB自体も取引の通貨ペアの軸のひとつとして使用しています。

BNBは、2017年7月に誕生した比較的新しい仮想通貨です。しかしバイナンス自体の知名度や利用者の多さもあり、時価総額は現在約2000種類存在する銘柄の中で10位~20位とかなり上位に位置しています。さらに、バイナンスの従業員の9割が自発的にBNBでの給与支払いを望んでいるということです。

バイナンスの90%の従業員が、BNBトークンで給与を受け取っていることが明らかに

2018.08.20

これはITやウェブに関する情報を中心に扱っている情報サイトであるテッククランチの創業者Michael ArringtonがバイナンスのCEOであるChangpeng Zhaoにインタビューした時に明らかになりました。

今回はそんなバイナンスコインの特徴や詳細について解説します。

バイナンストークン(BinanceToken/BNB)の最新価格・相場・チャート・評価


バイナンストークン(BinanceToken/BNB)の特徴・詳細とは?|世界一の取引所が発行する取引所トークンとは

BNBトークンとは?

BNBはバイナンスに関するさまざまな案件に利用されています。そのひとつが、BNBによる取引手数料の支払いです。

バイナンスの仮想通貨取引を行う際に、0.1%が取引手数料が必要になります。例えば2018年11月現在米テザーで1BTCを買おうとすると、約6,500~6,600USDTが取引価格となります。

しかし、実際に取引を行うためには、取引価格の0.1%にあたる65~66USDTが取引手数料として取引価格に上乗せされることになるわけです。バイナンスではこの取引手数料をバイナンスコインで支払うことが可能です。これにより取引に使う銘柄の増減に手数料を考慮する必要がなくなります。

更に取引手数料をBNBで支払うサービスですが、開始4年間をサービス期間と設定しています。

バイナンスは元々取引手数料0.1%と他の取引所と比較して安価ですが、サービス期間は更に安くなっています。具体的な取引手数料の減額率は以下のようになっています。

サービス期間 1年目 2年目 3年目 4年目 5年目
手数料減額率 50% 25% 12.5% 6.75% 減額なし

ここで注意してもらいたいことは、サービス期間の開始時期です。サービス開始時期というのはバイナンスがBNBによる手数料支払いを始めた2017年7月25日を意味します。利用者がバイナンスに口座を開設した日や取引を開始した日ではありませんので注意してください。

なおBNBによる手数料支払いは任意で選択可能となっています。初期設定ではBNBによる支払い機能はオフとなっているので、支払い機能をオンにするためにはプロフィール画面で変更する必要があります。

投票機能

取引手数料の支払い以外のBNBの使い方としては、バイナンスに上場する銘柄の投票の参加料があります。

バイナンスでは不定期にCommunity Coin of the Monthという利用者全員が参加できるイベントが開催されています。これは利用者によってバイナンスに上場する仮想通貨の銘柄を投票によって決定するというイベントです。

2018年11月までに通算9回行われてており、2018年8月に開催された第9回目ではGoChain(ゴーチェーンの)上場が決定しました。GoChain(ゴーチェイン)は9月に実際にバイナンスへの上場を果たしています。
この投票イベントの参加条件が0.1BNBとなっています。

このような使われ方をしているBNBですが、誕生はイーサリアムのプラットフォームであるERC20です。2018年3月にバイナンス独自のブロックチェーンであるバイナンスチェーンに移行しましたが、それまではイーサリアムベースの仮想通貨でした。

なおバイナンスチェーンはバイナンスが開発した独自のパブリックチェーンであり、パフォーマンス・使いやすさ・流動性を重視した性能となっています。これは円滑な資産移動を目的としているためです。

BNBトークンの保有メリット

BNBには手数料や投票と使用する方法も複数ありますが、保有しておくことにも意味があります。ひとつはBNB自体が通貨ペアとして使用されているためです。

バイナンスではビットコイン(BTC)イーサリアム(ETH)・米ドルテザー・バイナンスコイン(BNB)の4銘柄を通貨ペアの軸にしています。ただし全ての銘柄がビットコイン・イーサリアム・米ドルテザー・BNBの4銘柄全部で取引できるわけではありません。

2018年11月現在バイナンスで取り扱っている最も豊富な通貨ペアは、ビットコインを軸にしたものになります。ビットコインを軸に取引できる仮想通貨は120種類以上にも及びます。

しかしバイナンスコインを軸とした通貨ペアも少なくありません。70種類以上の銘柄がBNBで取引できるようになっています。今後取引できる通貨ペアの増加を見越してバイナンスコインを保有しておくという選択肢があるわけです。

BNBトークンでアフィリエイト

2つ目の保有メリットはアフィリエイトです。バイナンスではアフィリエイトを認めており、紹介者にはアフィリエイトで参加した人の取引手数料の20%を報酬として受け取ることが出来ます。

他の取引所と比較すると、アフィリエイト報酬としては20%でも十分高額です。ですが紹介者が400BNBを所持していると、報酬が20%から40%へと倍増する仕組みとなっています。

通貨ペアとしての利用価値とアフィリエイト報酬増加の2つがBNBの保有メリットになります。

取引所トークンの中では抜群の人気

バイナンス同様に仮想通貨取引所が独自の仮想通貨を発行し手数料などに使用できるようにしている例は複数存在します。例えば中国の仮想通貨取引所であるKuCoin(クーコイン)は、クーコインシェアーズ(KCS)という独自仮想通貨を発行しています。

日本国内の仮想通貨取引所の中でも金融庁から認可を受けているリキッドバイコイン(旧名コインエクスチェンジ)は、QUSH(キャッシュ)という独自仮想通貨を発行しています。このキャッシュはレバレッジ取引の証拠金として使用することが可能です。

このように取引所が仮想通貨を発行していることは珍しくありません。それでもBNBには安定した人気があります。それはひとつにバイナンス自体に人気があるためです。

歴史という点で見るとバイナンスの設立は新しく、世界の仮想通貨取引所の中でも比較的新しい部類に入ります。しかしバイナンスは0.1%という取引手数料の安さと取り扱っている銘柄の種類で世界屈指の仮想通貨取引所へと上り詰めました。

更に現在のバイナンスは仮想通貨取引所ではあるものの、取引所だけを運営しているわけではありません。

プラットフォーム以外の運営展開

仮想通貨の市場分析を行っているバイナンスインフォ、ブロックチェーンの研究や投資先の検討を行っているバイナンスラボ、若手の育成を行っているバイナンスアカデミー、ICOのサポートを行っているランチパッド全てはバイナンスの関連企業になります。

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2018.11.09

加えてバイナンスは買収や提携も積極的に行っています。ウォレット開発を行っていたトラストウォレットの買収に成功しました。更に貸付(レンディング)を行っているリブラ・クレジットや旅行先での仮想通貨決済をサポートするトラベルバイビットと提携しています。

2018年1月からビットコインを始めとする多くの仮想通貨の相場は伸び悩んでいます。それでもバイナンスは攻める姿勢を崩していません。これがバイナンスとBNBの人気の理由でもあります。

バイナンストークン(BinanceToken/BNB)の評価まとめ

バイナンストークン(BinanceToken/BNB)のこれまでの実績

バイナンスはトラストウォレットを買収しました。この時の買収金額はBNBで支払われています。提携先のひとつであるリブラ・クレジットでは、BNBの貸付が実施されています。

ニューヨーク・サンフランシスコ・ロサンゼルス・ドバイ・モスクワといった海外主要都市の不動産も購入出来るサービスを提供しているPropyという企業では、不動産の購入のためにBNBによる支払いが可能になりました。

ただし全ての物件が仮想通貨で決済できるというわけではなく、法定通貨による支払いしか受け付けていない物件も存在します。

2018年6月にバイナンスが発表した仮想通貨取引所開設同盟計画のトライアルでもバイナンスコインが使われています。この規格の参加条件がチーム単位で10万BNBを用意することでした。更にこの同盟取引所では、取引所独自のトークン発行が可能となっています。この独自トークンはバイナンスコイン所持者にも配布される予定です。

この他にも、バイナンスのCEOであるジャオ・チャンポンがTwitterで仮想通貨リクエストネットワークの送金エコシステムにバイナンスコインが組み込まれたことも発表しています。

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バイナンストークン(BinanceToken/BNB)の今後

バイナンスではBNBを市場で流通させている一方で、BNBの回収を行い、バイナンスコインをBurn(バーン)しています。バーンとは手持ちの仮想通貨を処分し、同時に仮想通貨の発行上限そのものを減らすことです。日本語訳にして、焼却や燃焼と訳されることもあります。

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2018.07.18

バーンを行うことのメリットは、仮想通貨やトークンの希少性の維持です。流通枚数が多すぎると銘柄の価値は相対的に下がっていきます。そこでバーンすることで流通枚数を減らし、銘柄の価値低下を防ぐわけです。

BNBのトークンバーンは四半期ごとに予定されています。実際にバイナンスは2017年10月、2018年1月、4月、7月、10月と現在までに5回のバーンが実施されました。2018年10月に行われた5回目のバーンでは、BNBが約160万BNB、日本円にすると約19億円が焼却されています。

BNBは当初、最大発行枚数2億枚で設定されていました。しかし通算5回のトークンバーンによって全体の5%近い約1,000万BNBが焼却され、現在の最大発行枚数は約1億9,000万枚になっています。なおBNBのバーンは、初期の最大発行枚数である2億枚の半分に当たる1億枚まで予定されています。最大までバーンされた場合、バイナンスコインの最大発行枚数は1億枚になります。

このようなさまざまな仕組みにより、バイナンスコインはビットコイン相場とは異なる値動きを見せることも少なくありません。今後も独自の値動きを見せていくでしょう。